2019年7月に日本フードサービス協会が発表した「平成30年外食産業市場規模推計」によると、2018年の外食産業市場規模(飲食店)は14兆3,335億円。これは前年を0.5%とわずかに上回った結果となっています。しかし、帝国データバンクの調査では、2018年の飲食店倒産、休廃業、解散は計1,180件。これは2000年度以降、最多の数字です。このように厳しい環境のなか、新たに開業を目指すのであれば、競合に負けないオリジナリティやサービスが欠かせません。そこで、今回は飲食店を開業するうえで最低限用意すべきものから、お客様に満足いただくために必要なものまでを紹介します。

飲食店の開業、まずやるべきことは?

これから飲食店を開業しようと思った際、やらなくてはならないことは山積みですが、そのなかでも、まず考えなくてはならないことは次の2点です。

お店のコンセプトを決める

飲食店のコンセプトというと、「朝でも夜でもおいしい料理を提供する」「地元の方が気軽に集まれる」といったことをイメージしがちです。しかし、本来、コンセプトとはイメージ的な目的ではなく、「こういう店にしたい」という思いを実現するための考え方の軸になるものです。

例えば、「地元の方が気軽に集まれる」ことが目的なら、派手な装飾は行わず実家に帰ってきたような気分が味わえる落ち着いた装飾にするといったように、やりたいことを実現するためにどうすればよいのかを徹底的に考えることが、コンセプトを決めるということです。誰もが共通したイメージを持ち、どのようにすれば実現できるのかが理解できる程度にコンセプトの内容を決めておくことが大切です。

競合や消費動向を見る

コンセプトを決める際、必ず同時にやらなくてはならないことが、競合や消費動向を見ることです。地元の方が気軽に集まれるようなお店を作りたくても、すでに近隣に似たような人気のお店があれば、お客様を獲得できる可能性は非常に低くなります。

どんなにコンセプトを固めたとしても、強い競合がいる、開業した場所の消費動向にそぐわないということがあれば、繁盛店を作ることは難しくなります。せっかく立てたコンセプトが無駄になることのないよう、競合や消費動向を見つつ、そのなかで生き残っていけるコンセプトを立てていくことが重要です。

飲食店の開業で準備しなくてはならないものとは?

コンセプトづくりができたら、いよいよ開店の準備に入ります。開店に向けて用意しなければならないものを確認しておきましょう。

費用のかかるもの

  • 物件

    自ら考えたコンセプトに合致した立地の物件を探します。この際、気を付けなければならないのが保証金です。一般的な居住用物件の保証金は家賃の2~3カ月分が相場ですが、最近では敷金のみで保証金はない物件も増えています。しかし、飲食店の場合、相場は10カ月、物件によっては12カ月以上の保証金が必要です。そのため、一般的な居住用物件と同じように保証金を2~3カ月で見積もっていると、いざ契約の際に予算不足になってしまうこともあるので注意しなくてはなりません。

  • 外装、内装工事

    外装、内装ともに費用は、スケルトン(ゼロからすべて自分で準備する)か居抜き物件かによって大きく異なります。相場はスケルトンで、1坪当たり30~50万円前後、居抜きを改装するだけの場合で1坪当たり15~30万円です。ただし、店舗の広さによっても変わってきます。

  • 調理器具、設備、備品

    調理器具や設備は、業態や扱う食材によって大きく異なります。100万円前後でそろえられる場合もあれば、1,000万円近くかかってしまうこともあり、一概には言えません。店舗の規模にもよりますが、厨房設備の予算として100~250万円程度を考えている人が多いようです。こうした調理器具や設備は基本的には、新たに購入・居抜きのものを利用・レンタルのいずれかになります。またテーブルや椅子などは内装工事に含めることでコストを抑えられることもありますので、施工業者に確認をしておきましょう。

  • 従業員の雇用

    求人自体にはそれほど大きなコストはかかりませんが、雇用するのが正社員なのか、パートなのか、調理師なのか、それ以外なのかによってその後の人件費は大きく変わります。そのため、これも事前にしっかりと予算組みをしておかなければなりません。

  • 広告宣伝費

    チラシ、クーポン券の配布、Webサイトの制作、Web広告、SNSアカウントからの告知など、形態はさまざまですが、新規店であれば存在を知ってもらうための広告宣伝にも力を入れる必要があります。インターネットを活用することで費用を抑えることは可能ですが、近ごろはどの店舗でもインターネットの集客を当たり前のように活用しています。そのため、手間を惜しんでしまうと高い効果は期待できません。

  • 当面の運転資金

    ここまでご紹介してきた資金に加え、食材の購入費や開業してから数カ月分の従業員に支払う給与、家賃、経費などのストックが必要です。できるだけコストを抑えたとしても、やはり数百万円は必要となるため、自己資金に不安がある場合は、日本政策金融公庫や各種金融機関からの融資も検討しておくとよいでしょう。

資格や必要な書類

  • 食品衛生責任者

    営業許可を受ける施設ごとに必ず1人必要です。各地域の保健所で講習とテストを受けなくてはならないため、開店準備をする前に取得しておくことをおすすめします。費用は10,000円前後です。

  • 防火管理者

    店舗の規模によっては必要な資格です。施設によっては10人以上の場合もありますが、基本的には30人以上収容できる店舗を開業する場合で、延床面積によって管理者の種類も変わってきます。費用は6,500~7,500円です。

    • 調理師免許

    飲食店を開業するうえで調理師免許は必ずしも必要な資格ではありません。なかったとしても開業できないといった心配はありませんが、持っていて損はありません。

  • 税務署や警察に提出する書類

    個人事業の開廃業等届出書、青色申告承認申請書、個人事業開始申告書などを、飲食店を開業する場所の税務署に提出します。また深夜にお酒を出す店舗(バー・スナックなど)の場合は、警察に深夜酒類提供飲食店営業届を提出します。

今どきの飲食店を目指すなら準備しておきたいものとは?

冒頭でも触れたように倒産、休廃業、解散数が増加しているなかで新規開業をして生き残っていくには、味や店舗の雰囲気、店員の質はもちろん、それにプラスアルファの魅力が欠かせません。そこで、魅力的な飲食店を目指すために必要なものをご紹介します。

  • IT化

    店舗Wi-Fiの導入、会計・人事管理のクラウド化、キャッシュレス決済、SNSを活用した集客施策などが挙げられます。これにより、業務効率化が実現できるうえ、お客様の支払いの多様化にも対応できるようになります。また昨今のキャッシュレス還元など、ポイント還元を求めたお客さまの集客効果も発揮されます。

  • 外国人旅行者対策

    倒産や休廃業が増える半面、外食産業市場の規模が増加している理由のひとつは訪日外国人の増加です。日本政府観光局(JNTO)によると、2018年、訪日外国人が初めて3,000万人を突破。この傾向は2020年に開催される国際スポーツ祭典以降もさらに増加すると予測されています。そのため、飲食店においては、インバウンド対策をしっかりと行うことが欠かせません。

    具体的な対策としては、前述したキャッシュレス決済や店舗Wi-Fiの導入が大きな効果を発揮します。なぜなら、外国人旅行者はWi-Fiを利用したい方が多く、またキャッシュレス決済も日本より普及しているからです。観光庁が発表した「2018年 訪日外国人の消費動向」において、「日本滞在中に得た旅行情報で役に立ったもの」として、無料Wi-Fiは28%。4人に1人以上が挙げていることから、店舗内に無料Wi-Fiを設置することは、インバウンド対策に大きな影響があると考えられるからです。

これからの飲食店はIT化を視野に入れることが重要

店舗の立地にもよりますが、これからの飲食店は外国人旅行者の獲得も視野に入れたIT化が重要なポイントになります。それは単純に訪日外国人が増加しているうえ、前述したように無料Wi-Fiを望む声が大きいことからもうかがえます。

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※本記事内の情報は2020年1月30日現在のものです。

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