店舗の業務を改善する一つの手としてBYOD(Bring Your Own Device)があります。BYODをうまく活用できれば、従業員の働きやすさが上がるだけでなく、店舗におけるコスト削減なども見込めますが、同時に注意するポイントもあります。BYODの特徴や、メリットやデメリット、導入に当たっての課題などをご紹介していきます。

BYODとは?

BYODは最近よく耳にするようになった言葉ですが、少し細かく定義や違いなどを見ていきましょう。

BYODの定義

「BYOD」は「Bring Your Own Device」、つまり「個人が所有している端末を業務に使用する」ことを指します。もともと会社や店舗などの組織は、情報関連機器は一括購入してスタッフに支給するのが一般的でした。しかし、端末の購入費や通信費の削減という観点から、私用のスマホやタブレットなどのモバイル端末を業務に使用することを許可するところが出てきました。個人所有のモバイル端末を店舗のオーダー端末などとして利用する形態をBYODと呼びます。
BYODは、店舗オーナーやスタッフの販売時の利用のほか、外出の多いスタッフを抱える部署や店舗、端末を使いこなすのに慣れている情報システム系の部門などによく見られます。

シャドーITとの違い

BYODと似た概念として「シャドーIT」があります。シャドーITは、スタッフや部門が組織に把握されない形で従業員が使用している端末やクラウドサービスを指します。たとえば、業務で配られているクラウドサービスのアカウントではなく、個人のアカウントを使う、などがこれにあたります。シャドーITが所属組織の許可なく使用されているのに対し、BYODは店舗オーナーや会社が使用を認めており、持ち込まれている端末を管理・把握しているという点が大きな違いになります。

日本におけるBYODの状況

2013年の総務省の調査によれば、米国・ドイツ・オーストラリア・韓国と比較した際、日本はBYODの導入が大きく遅れている状態でした。他国ではスケジュール管理やメールといった業務においては、半数近い組織がBYODを認めているのに対し、日本では個人所有の端末によるメールの送受信を認めている組織は12%程度に過ぎなかったのです。業務効率改善が課題となっている日本において、BYODの導入は、店舗オーナーにとっても同業者に大きく差をつけるきっかけになるかもしれません。

BYODのメリット・デメリット

BYODのメリットの中でも、店舗オーナーに焦点を合わせて見てみましょう。同時に、デメリットについてご紹介します。

メリット

  • 通信機器を購入しなくてよくなるため、コスト削減につながる

    BYODにおいては個人所有の端末を使うため、新しい通信機器の購入や通信費を減らすことができます。また、店側が物理的な端末を主体的に管理しなくてすむため、管理費や手間や時間を減らすことが可能です。

  • スタッフが使い慣れている端末を使うことができるため、接客スタイルの向上や業務改善につながる

    BYODはBtoC市場において特に有効活用できます。例えば、アパレル業界や小売業界などで、スタッフがお客様にファッションの提案をしたり、インバウンド対策のお客様に他言語で対応したり、在庫を検索してご案内したりする際に、自分の端末ならば使い方に習熟しているため、端末をスムーズに動作させることができ、お客様を待たせることもありません。店舗用の端末をスタッフに支給する場合には、使い方を習得させるためにある程度の時間が必要になります。店舗での仕事は人員と時間などのリソースが限られている場合が多く、スタッフ教育の時間は、顧客満足度を高めるような別の項目に振り分けることができるのはありがたいでしょう。

  • シャドーITを防ぐことができる

    店が認めていない端末を使用するシャドーITは「勝手BYOD」などとも呼ばれており、情報漏えいのようなセキュリティリスクにつながるので禁止したいところです。しかし、シャドーITが使用される背景には、店舗が用意した端末に何らかの不便な要素があることが想定されるので、シャドーITの解消にはBYODを導入することが現実的でしょう。単なるシャドーIT禁止令よりも効果が期待できます。

  • ワークスタイルを変え、働き方改革につながる

    BYODは「私物端末を仕事で使う」という点だけが注目されやすいですが、モバイルワーク(外出先での仕事)やテレワークなどといったワークスタイル全体に関わってくるコンセプトを含んでいます。例えば、BYODで店舗のシステムにアクセスできれば、自宅や出先での処理が可能となり、店の休日に出勤する必要がなくなる店舗オーナーもあるでしょう。

    深刻な人材不足が懸念されている近い将来を考え、BYODをワークスタイルそのものとセットで考えてみてください。

デメリット

  • セキュリティリスクが高まる

    個人所有の端末にはさまざまなアプリケーションがインストールされており、その状態で店舗のシステムにアクセスすると情報漏えいやウイルス感染などのリスクが高まります。また、端末盗難の際にも、情報漏えいの危機にさらされることになります。ただし、そうしたリスクは、端末管理機能を有するシステムを導入することで抑えることが可能です。

  • スタッフの仕事のオンオフが難しくなり、プライバシー上のリスクが高まる

    どこでも仕事ができるということは、仕事のオンとオフの切り替えが難しいと感じる場合が出てくる可能性もあります。そのことによって、スタッフのストレスが増大することがあるかもしれません。また、端末を管理するアプリケーションを導入すると、スタッフのプライベートな情報が店側に保持されてしまう可能性があります。そうしたリスクは、端末利用の時間帯によってアプリケーション機能を制限するシステムを導入することで防ぐことが可能です。

BYOD導入に当たっての課題

BYODは乗り越えるべき課題もありますが、うまく利用できればさまざまな恩恵を受けることができます。以下、スムーズな導入のために必要なポイントを見ていきましょう。

運用面での対策を

BYOD導入に当たって一番のネックとなるのはセキュリティ面でしょう。常にリスク低下に努める必要があります。例えば、個人の端末で行うことができる業務範囲を決め、情報へのアクセス制限や管理の規則化などで使用範囲を定めます。また、就業時間以外の使用や、店舗が取得する個人情報の扱いを厳密にルール化するなど、あらゆる事態を想定し、方針を考えておくのがよいでしょう。

管理にはシステムを導入するのも手

BYODを活用している店舗や企業が導入しているのが、MDM(Mobile Device Management)という端末管理システムです。MDMには、セキュリティ情報の自動更新、違反端末のチェック、紛失時の遠隔ロック、場所・時間によるアプリケーションの使用制限などの優れた機能を備え、さまざまな端末やOSをサポートしている「Optimal Biz」のような優れたツールがあります。こうしたMDMをBYODとともに導入すれば、セキュリティ面で安心できるとともに運用も容易です。BYODのデメリットを抑え、メリットを十分に享受することが可能となるでしょう。

メリットの多いBYODにMDMを活用して安全に運用しましょう

BYODは、店舗におけるコスト面でのメリットのほかに、接客スタイルの改善のように、業務そのものに大きく影響させることができます。使い方を誤るとセキュリティリスクが高まってしまいますが、店舗における今後の働き方のキーワードになる可能性もあります。BYODを利用する際は「Optimal Biz」も同時に導入し、安全かつスムーズな運用と業務改善を目指しましょう。

※本記事内の情報は2020年1月9日現在のものです。

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