新型コロナウイルス感染症の流行によって、「新しい生活様式」への対応が求められている近頃。
外出時には3密を避け、ソーシャルディスタンスを確保し、こまめな手洗いとアルコール消毒を心がける――といった日常生活での対策が推奨され、テレワークをはじめとした「働き方」も変化しつつあります。
そこで気になるのが、社外の人との打ち合わせをどのように行えばいいか。
大企業勤務であれば会社からの指示がありそうですが、個人事業主にはガイドラインがありません。対面での打ち合わせでは感染症対策を、オンラインミーティングではビデオチャットでの立ち居振る舞いを、自ら考えて決める必要があります。
そこで本記事では、フリーランスや小規模事業者向けに「社外の人と打ち合わせをする際の考え方」をご提案。
どのようなケースで対面での打ち合わせをするべきか。実際に会って打ち合わせをする際にはどのようなことに気をつければいいか。また、ビデオチャットを介したオンラインミーティングでの服装やマナーはどうすればいいか。
新しい生活様式に対応した打ち合わせの考え方を、まとめて説明します。
どうしても対面で会う必要がある場合はどうすれば?
緊急事態宣言は解除されたとはいえ、新型コロナウイルスの影響は今後も長く続くと言われています。そのため、対面の打ち合わせは極力控えることを前提に行動しましょう。
とはいえ、すべての打ち合わせをオンラインで行うというわけにもいきません。画面越しのやり取りだけでは伝わりにくい情報もありますし、打ち合わせの内容によっては、実際に会わないことには仕事が進まない場合もあります。
たとえば、取材や撮影など。
最近はビデオチャットを用いたオンライン取材も行われていますが、本格的な撮影は現場でないと行えません。撮影以外にも、現地で対面インタビューをしつつ録音や録画を行う必要があるケースも考えられます。
さらには、先方の事情で「対面でないと取材を受けられない」という場合もあります。オンラインで通話をする手段がないとか、会って話すことに強いこだわりがあるとか、その他やむを得ない事情がある、などの場合です。
以上のように、対面での打ち合わせが必要な場合はいくつも想定されます。しかしこのご時世では、お互いに対策を講じたうえで打ち合わせに臨みたいところ。具体的には、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。
対面での打ち合わせにおける注意点
対面での打ち合わせの際に注意したいこと・心がけたいこととしては、以下のポイントが挙げられます。あくまでも一例ですが、厚生労働省が示す「新しい生活様式」を参考にしてまとめました。
方針と準備
- 打ち合わせは必要最低限の人数で、できるだけ短い時間で行う
- 打ち合わせの前に手洗いうがいをする
- 飲み物はペットボトルで提供する
- 除菌用ウェットティッシュを用意する
- 打ち合わせに参加したメンバー・場所・時間を記録しておく
打ち合わせ中のマナー
- 打ち合わせ中はマスクを着用する
- 出席者同士の席の間隔をあける
- なるべく向かい合わない形で着席する
- 可能なら窓を開けたままにしておく(難しい場合は1時間おきに10分程度の換気)
オンラインミーティングにおける注意点
対面式の打ち合わせの場合は、感染症対策に努めることになります。では、オンラインミーティングの場合はどうでしょうか。
実際に会って話すわけではないので、感染のリスクは当然ながらありません。しかし、映像を介したコミュニケーションならではの注意点もあります。以下のようなポイントに注意しましょう。
方針と準備
- 時間を厳守する
- 服装は自由だが、仕事であることを自覚し、節度のある服装を心がける
- 背景の情報量が少ない、シンプルな空間で行う(バーチャル背景を使う場合は、シンプルなものにする)
- 自分の名前は、参加者が迷わず読めるわかりやすいものを設定する
- 会議中に配達や訪問などで中座しないよう、スケジュール調整を行う
- 時間は40分程度を目安にし、長くても1時間を超えないようにする
- アクセス情報は秘密厳守とし、参加者以外には絶対に伝えない
打ち合わせ中のマナー
- 基本的には顔を出して参加する
- 通信状況が悪い場合はその旨を参加者に伝えて、カメラをオフにする
- 入室時、ミーティング開始時、終了時はきちんと挨拶をする
- 他の参加者が説明している最中は、マイクをオフにする
- 環境によっては聞き苦しい場合があるため、ゆっくりはっきり話す
- 他の参加者が反応しやすいように、所々で間を作りながら話す
- ジェスチャーやポーズを使って、自分の意思や意図を補足する(具体的には「うなずく」「手で○や×を表現」「手を挙げる」「手を叩く」など)
まとめ
もちろん、本記事で取り上げた項目はあくまでも一例に過ぎません。もっと詳細なガイドラインを設けている企業もあるでしょうし、取材やミーティングの内容によって気をつけるべきポイントも異なってくることでしょう。
それに、今はまだ試行錯誤の段階にある企業も多いはずです。
取材はどこで行うのか。感染症の対策にはどこまで気を使えばいいのか。どのような会議ならオンラインでも事足りるのか。円滑に進めるためにはどのような環境や機材が必要になるのか。
どれも実際にやってみないとわかりませんし、打ち合わせを重ねることで新たに浮かび上がってくる気づきや懸念もあるはずです。ただ、何の準備もなくいきなり実践するのは不安ですので、やはり最低限の指針は持っておきたいところですよね。
本記事で取り上げたチェックポイントが、その参考となりましたら幸いです。