世界中でスマートフォンやタブレットの利用率が向上している現在、Webサイトのマルチデバイス対応やレスポンシブデザイン対応も重要ですが、多言語化も考えてみてはいかがでしょうか。大企業や中小企業が海外へと目を向けている今、多言語対応サイトの構築は多角的な事業展開を考えている企業にとって欠かせない施策だと言えます。

今回は多言語対応サイトを作る際のポイントや方法を解説します。

Webサイトの多言語化が必要になった背景

Webサイトの多言語化が必要になった背景には、企業活動の国際化や世界的なスマートフォン・タブレット利用率の向上などがあります。

海外の潜在顧客を掘り起こすためには、どこに自社の顧客がいるかを知らなくてはならず、そのためには市場調査や現地視察などが欠かせません。一方で、海外ユーザー向けにWebサイトを開設して自社のサービス・商品情報を発信し、潜在顧客にリーチすることも大切です。

自社サイトが多言語対応していれば、アクセスログを調べることで、世界のどの地域から多くアクセスされているかを判断し、需要調査も可能です。

また今やスマホでの検索回数がパソコンでの検索を上回るほど、スマホの重要性が増しており、世界中のビジネスパーソンがスマホを使って企業サイトにアクセスするケースも増えています。そのときに、自社サイトが日本語のみでは貴重なビジネスチャンスを逸してしまうことにもなりかねません。そうした意味でも、特にグローバル展開を進めている企業においては、多言語対応サイトの重要性がより一層増しているのです。

多言語対応サイトをCMSで構築する際のポイント

今や企業サイトの多くがCMSを使って構築されています。CMSはマルチデバイス対応をはじめ、Webマーケティングをサポートする機能などが搭載されており、Webサイトを通じた需要調査や企業活動の宣伝にも効果的です。Webサイトの多言語化に際しても、CMSの操作性・更新性・簡便性などのメリットを感じることができるでしょう。

しかしCMSを使ってWebサイトの全ページを多言語化しようと考えている場合、膨大な労力と時間がかかってしまい、ほかの業務がおろそかになってしまうことも考えられます。またコスト面との折り合いも考えなくてはなりません。

さまざまな課題が考えられる中、Webサイトの多言語化を円滑に進めるためには、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。

多言語対応サイトを作る前に知っておきたいこと

CMSに多言語管理機能は必須ではない

CMSはサービスによって、多言語管理機能が付いているものもあります。ただし、企業が自社サイトを初めて多言語化するときには、必ずしもこの機能が付いていなくても問題ありません。基本的な言語管理機能が日本語と英語などの主要な言語に対応していれば十分です。

すべてのページを多言語化しなくてもよい

すべてのページを多言語化するためには膨大な労力、費用がかかるので、優先的に多言語化するページを決めましょう。

特に「お問い合わせ」や「資料請求」につなげることを考えるのであれば、現在サイトアクセス数が多い国の言語や法規制に対応することを心がけてください

多言語対応サイトを作る一般的な手順

既存のWebサイトから多言語対応サイトを作る際の一般的な手順について解説します。

1.翻訳方法を決める

サイトを多言語化するための翻訳方法を決めましょう。基本的に企業のWebサイトは専門性が高く、業界によっても特徴があるので、専門的な分野に強い手動翻訳サービスを活用するのがベターです。

2.全ページを多言語化するか、一部を多言語化するかを決める

世界的に自社製品・サービスの認知度が高く、高い需要が見込める場合は、全ページを一気に翻訳するのが効果的な場合もあります。一方、そうではないケースでは、最初は企業概要とコンバーション率が高いと判断できる製品・サービスページのみを多言語化するのが合理的です。

3.対応言語数を決める

世界共通語として使用されている英語を基本とし、あとは自社商品の需要が高いと考えられる国の言語に対応します。

4.デザインを決める

海外での競合サイトの調査や、自社のコーポレートカラーやデザインと照らし合わせたうえで多言語対応サイトのデザインを決定し、ユーザーが任意で言語を切り替えられるよう、言語切り替えボタンを配置します。言語切り替えボタンはユーザーが見つけやすいようにページのヘッダーに配置し、言語一覧を表示できるようにします。

このときに国旗を使うと逆効果になってしまう可能性があります。例えば英語を表示するためにイギリスの国旗を使った場合、アメリカやカナダ、オーストラリアのユーザーにとっては不親切ですし、不快に感じさせることもあります。そのため、言語一覧を表示する際は、必ず言語名を使うようにしましょう。

あとはページを翻訳し、Web上に公開するだけです。

多言語対応サイトを作る際のポイント

ここまでで解説した多言語対応サイトを作る際のポイントをまとめると、以下のようになります。

  • 最初に日本語または英語のベースサイトを作り、そこから多言語に対応させる
  • ビジネスサイトは専門性が高いので、「手動翻訳」が基本
  • 複数の独立した多言語ページを作る(それぞれ別々のURLを設定する)
  • ユーザーが自由に言語を選べるようにする

自動翻訳と手動翻訳を組み合わせる手法も

多言語対応サイトを作るときには、特に英語や中国語などについては翻訳者や翻訳業者による「手動翻訳」が基本です。しかし近年はWebサービスやアプリケーションを使った自動翻訳(機械翻訳)の精度が上がっていますので、まずは英語(状況によって中国語)については、専門的な翻訳サービスなどを使って高い精度を確保し、その他の言語については自動翻訳を活用するのも現実的な選択です。

対応言語が増えるということは、それだけコンテンツ量が増えることを意味し、多くのユーザーにリーチできるようになります。

日本語と英語(および中国語)のサイトに関しては商用CMSの機能を使って翻訳・管理し、その他の言語に関しては、自動翻訳を活用するという「ハイブリッド型」の手法を導入している企業も増えています。

多言語化には段階的に対応していくべき

多言語対応サイトを作成するうえでは、必ずしもCMSに多言語管理機能が付いている必要はありません。最初からすべての言語に対応しようとするとコストがかかるので、まずは利用者の多い英語から対応し、少しずつほかの言語へも広げていくことがおすすめです。

自社の状況に合わせたうえで、専門性の高い手動翻訳と簡易的な自動翻訳を使い分けるようにして、サイトの多言語化を進めていくといいでしょう。

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