Excelを使うときに「ちょっと面倒!」となるのが、ファイルを新規作成するたびに同じ作業を何回もする必要があること。
毎回ファイルの保存場所を選んだり、標準から別のフォントに変えたり、複数のセルを同じ設定にしたり……いつも同じことを繰り返すのは、面倒なときがあります。
実はOfficeではちょっと工夫するだけで、この毎回の繰り返し作業をしなくて済むように設定できます。
作業の効率化、時短につながるのでぜひ覚えてみてください。
※この記事ではWindows10 Home(20H2)「Microsoft Word,Excel,PowerPoint for Microsoft 365 MSO(16.0.14026.20202)」を使用しています。
1.「名前をつけて保存」の保存先を特定のフォルダに設定する方法
最初に紹介するのが「名前をつけて保存」の保存先を特定のフォルダに設定する方法です。
保存先は、「このPC」の場合、標準では「前回保存したフォルダ」が出てきます。
しかし「お気に入りの保存先を画面に表示させたい」「表示させる保存先は常に1つに固定したい」という人も多いのではと思います。
そんなときに「ピン留め」と「保存先の固定」の機能を使うことで、保存先を素早く表示することができます。
ピン留め
まず「ピン留め」ですが「複数の特定フォルダに保存することが多い」ときにおすすめです。
やり方ですが「ファイル」の「名前を付けて保存」(または「Ctrl+S」)を選択して「最近使ったアイテム」をクリックします。
右側に表示されているフォルダにマウスポインターをあわせると、ピンが表示されるのでクリック。
そうすると選んだフォルダが、最近使ったアイテムの画面上部に表示されるようになります。
よく使うフォルダを「ピン留め」しておけば、しばらく使わなくても消えないので便利です。
「既定でコンピューターに保存する」
もう1つが「保存する先はこのフォルダのみ」と固定している場合におすすめの方法です。
やり方ですが、まずは「ファイル」の「オプション」を選択。
「保存」を選択して、「既定でコンピューターに保存する」にチェックを入れます。
「既定のローカルファイルの保存場所」にフォルダのアドレスを貼り付けて、「OK」をクリックすれば完了です。
こうすれば、ファイルの保存をするときのフォルダを固定できます。
「ファイルはこのフォルダに必ず保存」と決めている場合に役立ちますので、是非活用してみてください。
2.標準のフォントを特定のフォントに固定する方法
次に紹介するのが、標準のフォントを特定のフォントに固定する方法です。「新しいファイルを作るたびにフォントを標準から別のものに変更するのは面倒」といったときに便利です。
Excel、Word、PowerPointでやり方が少し違うのでそれぞれ紹介します。
Excelで設定をする方法
まず「ファイル」メニューから「オプション」を選択します。
「オプション」にある「全般」を選択。
「新しいブックの作成時」の「次を既定フォントとして使用」欄のフォントを好みのフォントに設定し、OKをクリックします。
再起動のダイアログがでるので、Excelを再起動してください。
これで標準のフォントが変更されました。
たとえば設定を「メイリオ」にしておけば、文字フォントが自動で「メイリオ」になります。
Wordで設定をする方法
Wordで設定する場合、「ホーム」タブの「フォント」から右下にある矢印をクリックします。
そうするとフォントの設定画面に移ります。
好みのフォントを選択、画面左下にある「既定に設定」をクリックしてください。
既定のフォントを設定する対象を聞かれるので「Normal.dotmテンプレートを使用したすべての文書」を選んで「OK」をクリックします。
Wordで標準フォントの変更作業は以上で完了です。
PowerPointで設定をする方法
PowerPointで設定する場合、「表示」タブから「スライドマスター」を選択します。
スライドマスターの画面になるので、「背景」にある「フォント」をクリックしてください。
フォントの設定画面になるので、好みのフォントを選択したら「保存」をクリックします。
次に「ファイル」メニューにある「名前を付けて保存」をクリックしてください。
ここで保存する形式として「PowerPointテンプレート」を選択します。
PowerPointの場合、アプリ全体でフォントの設定を変えられません。
新しくファイルを作成する場合には、標準のフォントを変更したテンプレートファイルを開く形で対応するようになっています。
以上が、標準のフォントを変更する方法でした。
ちなみにExcel、Word、PowerPointともに、作成済みのファイルについては変更されることはありません。新規作成するファイルのフォントのみ変更されます。
3.繰り返し同じ作業を行う方法
最後に紹介するのが、[F4]キーによる再実行の処理です。
Officeの作業で、複数の箇所に文字に色を付けたり、フォントを変えたりすることは多いと思います。
ただ、変更する箇所ごとに色を選んだり、フォントを変えたりするのは大変です。
たとえば、以下のように締め切りが過ぎている「C列2〜5行」の文字を「赤色」に変更したいファイルがあった場合。
このときセルごとに文字の色を設定するのは面倒くさいですよね。
ですが、例えば最初の1つのセルで赤色に設定をしたあと、[F4]キーを押すだけで、同じ設定を適用することができます。
セルが離れていても大丈夫で、特定のセルだけを変えられます。
これは[F4]キーの「直前に行った操作を繰り返す」という機能を活用したテクニックです。
この機能はOffice共通でWord、PowerPointでも同じなのでぜひ使ってみてください。
ただし、途中で別の操作をすると、そちらに[F4]キーの内容も変わってしまうので注意してください。
ちなみに[F4]ではなくても[Ctrl]+[Y]キーを押しても同様に操作できます。
[F]キーがないパソコンではこちらを利用してください。
Office作業の「面倒くさい」の解消に是非活用を!
以上、Officeで使える便利な設定の紹介でした!
今回紹介した設定は、作業の効率、時短化につながるものばかりです。
ぜひ、覚えて活用してみてください。