もう、すっかりおなじみになってきたWeb会議やオンラインミーティング。直接どこかに集まることなく行えるため、感染症予防の観点から有効な手だてとなっています。

とはいえ、社内の軽いブレストにも関わらず、図解をするための資料作りに時間を取られてしまう、と感じることはありませんか? 直接集まったときのように、みんなで書き込めるホワイトボードのような機能があれば、そのような手間を削減できます。

実は、Windows PCを使っている人であれば、無料の「Microsoft Whiteboard」アプリ、Macユーザーならスイス生まれのフリーソフト「OpenBoard」でその機能を手に入れられるのです。また、プラットフォームを問わず、Googleには「Google Jamboard」、Zoom Meetingにも同様の機能を搭載しています。

それぞれの使い勝手などを紹介していきます。

オンラインホワイトボード機能とは?

オンラインホワイトボードとは、インターネット上にあるまっさらなスペースに双方向での書き込みを可能にする機能です。従来の物理的なホワイトボード同様、テキストや言葉だけでは伝えきれない情報を、図や手書き文字などを使って示せるため、情報や考えの共有が図りやすくなります。

オンラインホワイトボードのイメージ

作ったものは、そのまま議事録にすることも可能。リアルなホワイトボードでは、会議が終わったら消さなければならないので、もしかしたらこちらのほうが便利かもしれませんね。

オンラインホワイトボードのメリット・デメリット

オンラインホワイトボードには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 情報やアイデアの共有が容易になり、意思疎通がしやすくなる
  • 文字入力も可能なので、文字のうまい・下手が気にならない
  • 図などを活用することで、書き込みスピードがアップする
  • みんなで書き込んだボードはそのまま保存して共有できるので、議事録としても利用できる

デメリット

  • 利用者のITリテラシーによって使いやすさが左右される
  • PCのスペックやネットワーク環境によって動作が重くなることもある

オンラインホワイトボードのメリットは大きいですが、デメリットにも注意が必要です。「ツールを使いこなせないことで、会議に参加できていない人がいないか」、「使用しているPCや自宅のネットワーク環境の影響により、会議の内容に付いてこれない参加者がいないか」、など会議中も配慮が必要です。

オンラインホワイトボードの選び方

オンラインホワイトボードは、サービスの仕様や特徴・注意点を踏まえたうえで、どれを導入するのか検討しましょう。

1. 使用したい機能が搭載されているか

まず、自分たちが行いたい会議をイメージしてみましょう。テキストを書き込んだり、図を書いて説明したり。「会議で自分たちが行いたいことが実現できるか」が選ぶポイントになります。また、会議後にボードを見返せることも大切です。

2. 使いやすさ

便利な機能がたくさん搭載されていても、使い方が複雑なツールの場合、参加者が使いこなせない場合もあります。また、スムーズに動作するかも重要なポイントです。導入前に一通り操作してみることをおすすめします。

3. 導入費用

オンラインホワイトボードは、無料のものと有料のものがあります。無料と有料でプランが分かれている場合、無料プランは機能が制限されていることがあります。利用規模や使い方に合わせて、無料プランか有料プランか選ぶとよいでしょう。

無料のオンラインホワイトボード5選

ここから、無料で使えるオンラインホワイトボードを厳選して5つご紹介します。それぞれの機能や特徴、注意点などもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

Microsoft「Whiteboard」

「Whiteboard」は、Microsoftが無料で提供しているオンラインホワイトボードアプリ。ペンや指を使って自由に描画できるほか、キーボードでテキストを入力していくこともできます。

紙に書くようにフリーハンドで文字や図形を描画できますし、適当に描いたものを丸や四角などの図形に変換したり、表を作成して、その中に文字を書き入れていくことも可能です。

Microsoft Whiteboardの画面

また、作成したものはどんどん自動保存されていくので、出し合ったアイデアが何の前触れもなく消失する、といった危険もありません。作ったホワイトボードはアプリ内で一覧表示できるため、議事録としても活躍します。

ビデオ会議やチャットなど、組織内での共同作業を行えるMicrosoftのツール「Teams」であれば、ビデオ会議中にWhiteboardを作成開始したり、リンクをテキストチャットに貼り付けて、書きかけのWhiteboardを一緒に完成させたりすることができます。

利用できるのはMicrosoftアカウント(Outlook、Hotmail、Live、Xbox など)または職場や学校のMicrosoft 365アカウントを持っている人だけ。また、今のところは同じ組織内の人としか共同作業ができないので、他社メンバーとのコラボレーションは難しいでしょう。

Microsoft Whiteboardの設定画面

アプリ対応OSはWindows 10、iOS 9以降。職場や学校のMicrosoft 365アカウントユーザーであれば、アプリがインストールされていなくても、Webブラウザで参加することができます。ただし、表など一部のオブジェクトは表示されないので、可能であればアプリからアクセスするようにしましょう。

Webブラウザの場合、一部機能に制限がある

Google Jamboard

Googleアカウントを持っていれば、誰でも使えるのが、「Google Jamboard」です。これは、Googleアプリのひとつで、WebブラウザのChromeを使っていれば、アプリリストから起動させられます。

Google Chromeのアプリリストに表示される

Google Jamboardでも、フリーハンドで文字や図形を描画できますし、丸や四角、半円や矢印といった既定の図形を描くのも簡単にできます。

Jamboardでは、Jam単位で保存されます。見えている画面はページではなく、フレームと呼び、1Jamの中で複数フレームを作成することができます。プロジェクトを1冊のノートにまとめたようなイメージですね。リアルなホワイトボードでは、スペースがなくなってしまったら、書いたものを消さなければならず、撮影する以外に取っておく方法がなかったので、非常に便利な機能だといえるでしょう。

Jamは、複数の人と共有することができます。それには、「共有」ボタンからメールアドレスを入れて招待するか、共有リンクをコピーしてメール、またはメッセンジャーアプリなどで知らせます。

共有相手が自由に書き込めるようにするには「編集」を、見ることだけ許可する場合は「閲覧」を共有権限から選びましょう。

共有で相手の権限を設定できる

ビデオ会議中に、Jamboardを利用する方法は2つあります。

ひとつはJamのユーザーが画面共有をする方法です。画面共有をしているユーザーが書き込む様子を、ほかの参加者たちが眺めているイメージです。

もうひとつは、参加者たちがあらかじめ招待されたJamにアクセスする方法です。これなら、意見を交わしながらひとつのホワイトボードに書き込むブレインストーミングのような形を取ることができます。

もっとも、編集権限を与えられているメンバーたちがJamboardを開けば、ビデオ会議を開催していなくても書き込みはできますので、画面を通じてお互いの書き込みを見ながら黙々と作業する、ということも可能です。

作ったJamは、リアルタイムにJamboardに保存されます。見直したいときには、Jamboardにアクセスして、該当するJamを開くことで行えます。

また、PDFや画像として保存することもできますので、印刷して配布資料にしたり、プレゼンテーション資料の中に埋め込むことも可能です。とはいえ、画像で保存する場合は、現在表示されているフレームだけが保存されますので、複数フレームを保存したいのであれば、フレームを切り替えつつ画像保存する必要があります。

JamboardはWebブラウザ上で動くため、OSを問わず使うことができます。Windows PCでも、iPhoneでもOKです。

Zoom Meetingのホワイトボード

Zoom Meetingには、あらかじめ「ホワイトボード」機能が組み込まれています。オンラインホワイトボード初心者でも連携のことなどを考える必要がないため、使いやすいでしょう。

使い方は簡単で、Zoomでの会議中に「画面を共有」ボタンをタップし、表示されるリストの中から「ホワイトボード」を選ぶだけです。

Zoom Meetingのホワイトボードの使い方①

Zoom Meetingのホワイトボードの使い方②

Zoom Meetingのホワイトボードは、現在見えているスペースがいっぱいになったら、ページを増やすことができます。書き込めるのは、テキストの入力、描画、ハートや星といったスタンプの挿入、テキストや線の色の変更など。描画も自由描画だけでなく、角丸四角や丸、矢印や透過図形など、ブレインストーミングで使いやすいツールがそろっているのが特徴的といえます。

Zoom Meetingのホワイトボード画面

作成したホワイトボードの画面を残したい場合は「保存」ボタンを使って、画像として残すこともできます。ホワイトボードの画像ファイルは、Windowsではドキュメントフォルダ内に作られたZoomの日付とミーティング名が付けられたフォルダ内に格納されるため、作成日付の入力などを省略できますし、探すのも簡単です。

A Web Whiteboard

「A Web Whiteboard」(ウェブホワイトボード)は、会員登録不要で手軽に使えるオンラインホワイトボードです。

サイトにアクセスして、「Start drawing」をクリックするだけでホワイトボードを使うことができます。

用意されているツールは、フリーハンド線画、蛍光ペン、フリーハンド矢印、直線矢印、直線、四角や丸などの図形、テキスト入力、付箋のほか、画像の挿入も行えます。

作成中のA Web Whiteboardで共同作業をしたい場合は、「Invite」ボタンをクリックして表示されるURLをコピーして、メールやチャット、メッセンジャーなどで送るだけ。招待された人は、リンクをクリックするだけで、同時に書き込めるようになります。

A Web Whiteboardで共同作業をする場合の操作

A Web Whiteboardの画面

作成したものを保存するには、「Export board」ボタンをクリックしましょう。画像としてローカルに残すことができます。

保存するときは「Export board」ボタンをクリック

なお、基本的には無料で使えますが、月額10ドルの有料会員になれば複数ページの作成、PDF・パワーポイントやワードドキュメントの挿入、閲覧オンリーの共有への招待、ホワイトボードをPDFとして保存することなどができるようになります。

有料会員の場合使える機能が増える

Whiteboard Fox

「Whiteboard Fox」も、会員登録することなくWebブラウザでホワイトボード機能を利用できるサービスです。

Whiteboard FoxのWebサイト

描画については基本的な機能のみ。そのほか、テキストや画像の挿入、ダークモードでの利用、「絵」としてホワイトボードを残す機能などがあります。

共有は、「オプション」の「シェア」ボタンをクリックして、表示されたURLを送信するだけ。受け取った側は、リンクをクリックするだけで、共同編集に参加できるようになります。

操作画面は日本語なので使いやすい

前述の「A Web Whiteboard」と異なり、日本語化されているので使いやすいでしょう。

まとめ

これまで、企業や学校など、組織向けに提供されてきたWeb会議システム(Microsoft TeamsやGoogle Meeting)が、新型コロナウイルスの影響により、個人にも解放され、付随するホワイトボード機能も一般開放されるようになってきました。

とはいえ、もともと組織内で使うことを前提にしていたため、Microsoft Whiteboardなど使いづらい部分があるのも確か。Zoom Meetingユーザーであれば、ほかのホワイトボードツールを使う必要はありませんが、Google Meetなどでやり取りするのであれば、A Web WhiteboardやWhiteboard Foxといった、アカウントなしで参加できるもののほうが便利だと感じるはずです。

また、マウスやタッチパッドでは書き込みしづらいので、安価なものでもペンタブレットをひとつ用意しておくと、ミーティングがより有意義なものになることでしょう。