Photoshopの画像補正で便利なのが「色調補正」ツール。
色々な機能がありますが、「レベル補正」「明るさ・コントラスト」「色相・彩度」は、人物や風景、食べ物写真の簡単な補正にピッタリ。初心者にも使いやすく、是非覚えておきたい機能です。
この記事では、それぞれの機能について簡単に説明。また「人物」「風景写真」や「食べ物」など補正の機会が多い写真をお手本にして、素早く補正するコツを紹介します。
「レベル補正」ってなに?
まずは「レベル補正」です。これは、写真の明るさを変えたり、色の濃淡を調整する機能です。
画像を開いた状態で、画面右側にある「色調補正」タブの「レベル補正」アイコンをクリックします。
以下のような画面が現れます。これは「ヒストグラム」と呼ばれ、画像内のピクセル分布を示しています。
ヒストグラムにあるのがスライダー(△のようなマーク)です。
ちなみにスライダーは以下のようになっています。
- 右の白色が「ハイライト(一番明るい点)」
- 左の黒色が「シャドー(一番暗い点)」
- 真ん中の灰色が「中間色(中間点)」
「ハイライトのスライダー」を左に動かしていくと、画像は明るく補正されていきます。
以下の写真は左にスライドした状態。ずいぶんと明るくなりました。
元の画像
補正後の画像
逆に「シャドーのスライダー」を右に動かしていくと暗く補正されます。
以下のように暗く補正されました。
元の画像
補正後の画像
なお、中間点も同じです。左に動かしていくと画像が明るく補正されます。
以下のように画像が明るくなりました。
元の画像
補正後の画像
右に動かしていくと暗く補正されます。
以下のように暗く補正されました。
元の画像
補正後の画像
このように、スライダーを使って画像全体を簡単に明るくしたり、暗くしたりできるのが「レベル補正」です。
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「明るさ・コントラスト」ってなに?
「明るさ・コントラスト」は文字通り、画像の明るさと彩度(色の鮮やかさ)のコントラストを調整してくれる機能です。
コントラストとは、画像の明るい部分と暗い部分の差のこと。強くするほど、明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗くなります。
画像を開いた状態で、画面右側にある「色調補正」タブの「明るさ・コントラスト」アイコンをクリックします。
まずは上のスライダーが明るさで、右に行くほど画像が明るくなります。
スライダーを右にずらしていくと、画像が明るくなります。
以下のように明るく補正されました。
元の画像
補正した画像
次にコントラストです。
こちらもスライダーが右に動かすほどコントラストが高く、左に動かすほど低くなるようになっています。
例えば、コントラストを一番右に動かしていくと、以下のように高コントラストの画像ができあがります。
以下のようにコントラストが高くなりました。
元の画像
補正した画像
コントラストの高い、メリハリのある画像になりました。
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「色相・彩度」ってなに?
3つめが「色相・彩度」です。これも名前の通り、画像の色相と彩度を補正するときに使います。
具体的には、色を変えたい、鮮やかさを変えたいときになどに活用できます。
この機能も画像を開いた状態で、画面右側にある「色調補正」タブの「色相・彩度」アイコンをクリックします。
パラメータには「色相」「明度」「彩度」の3つがあり、それぞれの意味は以下の通りです。
- 色相:色合いの違い(例:赤い、青い、黄色いなど)
- 彩度:色の鮮やかさ
- 明度:色の明るさ
変更するときはスライダーを左右に動かしていきます。
「色相・彩度」のパネル
まずは「色相」から。画像全体の色味を変えてくれます。
右にスライド
色相のスライダーを右に動かすと色が変わっていきます。以下の写真の場合、右にずらしたら青が淡いピンクに変わりました。
元の画像
補正した画像
実際、色がどう変わるかは、素材次第です。徐々に動かして想定している色に調整してみてください。
次が「彩度」です。これは色をより鮮やかにしてくれます。これも右の方に動かしてみます。
スライダーを右に移動
すると、全体的にメリハリのある、鮮やかな色になりました。
元の画像
補正した画像
彩度は、画像全体の色を鮮やかに、それぞれの色をより濃く際立たせたいときに使います。
最後が「明度」です。これが右に行けば行くほど、画像が明るくなって「白み」がかかります。
スライダーを右(白色)に移動
画面全体に白みがかかりました。
元の画像
補正した画像
全体的な明度を落としたり、上げたりするときに使います。
補足ですが、この機能は特定の色にだけ処理を加えることもできます。
「マスター」となっている部分をマウスでクリック。そうすると色の種類が出てきます。
ここで色を選ぶと、その色にだけ補正を加えられます。
画像の花の部分(青)だけ色を変えてみたいので、「ブルー系」を選び「色相」を右に動かしてみました。
すると、先ほどとは違い花の色だけが変わっていることがわかると思います。
元の画像
このように、画像内の特定の色だけを変えることも可能です。
例えば「空の色だけ変えたい」というときにも便利ですので、是非おぼえておいてください。
次に、補正の機会が多い「人物写真」「風景写真」「食べ物写真」のパターン別にオススメのお手軽な補正方法を紹介します。
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「人物写真」は「レベル補正」で素早く補正する
「人物写真」を補正していく場合は「レベル補正」が簡単でオススメです。肌の色のトーンを簡単に変えることが可能です。
例えば以下の写真。
「ちょっと明るすぎなので肌の色をもっと強調したい」というときに、「レベル補正」を使えば素早く補正できます。
「レベル補正」の画面を開いて、ヒストグラムを確認します。
今回は以下の補正を行います。
- シャドースライダーを右に、ヒストグラムが盛り上がっているところまで動かす
- ハイライトスライダーを、画像を見ながら、少しだけ左に動かす
そうすることで、黒の締まりを適正にしつつ、暗すぎない肌の色を強調した補正ができます。
元の画像
補正した画像
簡単に補正できる方法ですので、ぜひ活用してみてください。
「風景写真」は「明るさ・コントラスト」で好みの強さに調整する
次に風景写真、こちらは「明るさ・コントラスト」機能での補正がオススメです。
思ったよりも暗くなってしまった、コントラストのバランスがよくなかった、などの時に使います。
今回は、以下の補正を行います。
- 明るさのスライダーで好みの明るさに調整
- コントラストのスライダーで強調したい色を調整
こちらもパネルのスライダーで調整していきます。
例えば以下の公園の風景ですが、ちょっと暗くなってしまいました。
これを補正していきたいときは、まず明るさのスライダーを右に動かして明るくします。
これでちょっと明るくなりました。
次にコントラストを調整して色味も強くしていきます。
これで多少ですが、緑の部分が強調されました。
風景写真は「明るさ・コントラスト」で素早く補正できるので、是非活用してみてください。
元の画像
補正した画像
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「食べ物写真」は「レベル補正」「色相・彩度」で好みの色に調整
最後に、食べ物写真です。こちらは「レベル補正」「色相・彩度」を使っての補正がオススメです。暗かったり、色がくすんでいると美味しそうに見えません。
今回は、以下の補正を行います。
- 「レベル補正」で明るさを調整
- 「色相・彩度」で好みの色味に調整
例えば、以下の写真。明るくない室内で撮ったため、暗めで赤っぽくなってしまいました。
この写真を明るくするには、ハイライトのスライダーを、ヒストグラムの山の右端にまで合わせます。
そうすることで適正な明るさに調整できます。
元のヒストグラム
右の盛り上がっているところまで動かす
明るくなって見映えが良くなりました。
次に「色相・彩度」で好みの色に調整していきます。
今回の場合は、赤みが強かったので色相と彩度を下げて、明度を上げてみました。
だいぶ、赤みが取れて自然な印象になりました。かなり自然な色合いになったかと思います。
「色相・彩度」については、好みによる部分が大きいので、3つのスライダーを徐々に動かしていって好みの色に調整してみてください。
元の画像
補正した画像
Photoshopの「色調補正ツール」は手軽に素早く補正できてオススメ
操作にあまり慣れていなくても、手軽に画像補正を行えるのが魅力です。慣れてくれば数分でできてしまいます。