ほしいモノやコトの情報は、「まずインターネットで調べる」という人が増えています。これは、BtoCでもBtoBでも同様です。また、最近では多くの人が、広告を敬遠する傾向にあります。

このような時代に、企業のメッセージを届けることができるのは、ユーザーにとって有益な情報が含まれている「コンテンツ」です。しかし、ブログを書けばうまくいくというような、単純な話ではありません。

本記事では、コンテンツ制作の注意点や、成果を上げるポイントについて解説します。

コンテンツ制作の目的

「ブログで記事を公開するようになったら、SNSで拡散されてサイト訪問者が増えた」といった話を聞くと、ぜひ取り組みたいという企業が増えてきます。しかし、ただ記事を大量につくれば訪問者が増えるというものではありません。どのようなコンテンツを、どのような目的でつくるのか、あらかじめきちんと戦略を立てて取り組まなければ、仕事が増えて大変になるだけです。

まず、インターネット上で記事コンテンツを公開することで、どのような効果が期待できるかを確認しておきましょう。基本的には、記事コンテンツは「潜在層にアプローチする」ことが得意です。例えば、以下のような目的でコンテンツをつくることで、自社の製品やサービスを選択肢に入れてもらうことができます。

(1)ほしいと思っていない人に必要だと気づかせる

何か知りたいことがあって検索した人たちに向けて、「その解答や情報はここにあります」という有益な情報を提供します。同時に「これもあったほうがいいことをご存じでしたか?」とさりげなく自社の製品を知らせるといった手法です。

(2)漠然(ばくぜん)としたニーズに応える

人は「何がほしいか決まっていないが、困っていることがある」という場合にも検索します。そのときに、解決策を提示しつつ、自社の製品をアピールできます。BtoB商材でも「同じことで困っているほかの会社は、このように解決しています」といったコンテンツはよく読まれます。

どちらの場合も、コンテンツの読者は今それを買おうとしているわけではありません。しかし、先々どうしても買う必要が生じたときに「そういえばあの記事で出ていたあの商品はどうだろう」と思い出してもらうのが、記事コンテンツの目的です。

商品を今まさに買おうとしている人は、長い記事などは読みません。価格比較サイトや製品比較サイトを見るでしょう。あるいは、自社サイトへの訪問履歴があるユーザーに広告を表示させる「リターゲティング広告」のほうが効果的です。

成果が出るコンテンツのポイントと制作の流れ

コンテンツを読んだ人の検索体験が良ければ、後で自社の製品やサービスを使ってもらえる可能性が高くなります。検索体験を良くするためには、「どんな人が、どういうシーンで、何を知りたいか」をきちんと把握し、「適切なフォーマット」で提供する必要があります。

適切なフォーマットとは、Webサイト上の文章以外に、メールや動画、ホワイトペーパー(ダウンロード用の資料)、SNSアカウントなどです。例えば、若い女性向け化粧品ならインスタグラムのアカウントが必要ですし、BtoB商材ならダウンロード資料が必要であること、などがイメージできるでしょう。

「どんな人が、どういうシーンで、何を知りたいか」と「適切なフォーマット」を知るために必要なのは、顧客のペルソナやカスタマージャーニーを考えることです。検索流入をめざした記事コンテンツの場合、制作の流れは以下のようになります。

  1. ペルソナ策定
  2. カスタマージャーニー設定
  3. コンテンツが必要なポイントの洗い出し
  4. キーワード選定
  5. 制作(執筆)
  6. 編集・校正

また、記事の品質を確保するため、以下の点に注意しましょう。

  • 執筆の際は、テーマを決めたらアウトラインを作成して書き始める
  • 記事を書き終えたら、第三者の目で事実関係や誤字脱字のチェックを行う

コンテンツ制作の費用感

記事コンテンツのオウンドメディアを運営するための費用についても知っておきましょう。最低限、以下の2種類の費用が必要になります。

(1)コンテンツサイトの構築、維持費用

まず、コンテンツを掲載するサイトとインフラ環境が必要です。既存の企業サイトに追加する形でサイトを構築できるのであれば、追加費用としてはさほどかからない場合もあります。ただし、記事は一度作成したらそのままにしておくわけではなく、追加や修正をしていくので、CMS(コンテンツマネジメントシステム)が必要になります。このためCMSの導入や運用を前提とした業者検討⇒システム検討⇒体制検討⇒費用算出と進めていくとよいでしょう。

(2)コンテンツ制作の費用

社内に文章を書くのが得意な人がいるなら、その人が記事を作成するのが、実はもっとも質の高い記事になります。自社製品のことを一番よく知っているのは社員だからです。この場合のコンテンツ制作費用は、社内の人件費と、良い写真素材を用意するためのデジタル一眼レフカメラの購入費用などになります。

社内では手が回らない場合は、外部のライターに記事を発注します。BtoC商材であれば、クラウドソーシングで発注することも可能でしょう。赤ちゃん向け商品などは、むしろ子育て中の主婦ライターの方が、良い記事が書ける可能性もあります。

一方で、BtoB商材の記事が書けるライターをクラウドソーシングで探すのは、非常に難しいといわざるをえません。この場合は、プロのライターに依頼しましょう。おすすめの探し方は、広告出稿している雑誌の編集部に紹介してもらう方法です。かかる費用は、およそ以下の範囲です。

  • クラウドソーシング 数千円/記事1本~
  • プロのライター 数万円/記事1本~

このほか、記事制作を専門に行う会社もあります。ライターの手配や記事の品質チェックまで任せられるので、社内に手が足りない場合はおすすめです。ただし、費用はそれなりに大きくなります。また、動画コンテンツの場合は、桁がひとつ増えるというイメージです。

また、コンテンツマーケティングを始める前に導入しておきたいのが、解析ツールです。Googleアナリティクスなど無料のツールでもかなりのことがわかりますが、記事のどの部分に問題があるのか、どのように改善すると効果が上がるかなど、分析やテストができるツールを入れておくといいでしょう。

良い記事が仕上がってくる発注方法

外部のライターに記事を依頼しても、仕上がった記事をチェックして効果を検証し、改善点を洗い出してリライトを依頼するのは社内の担当者の仕事です。この手間も費用として換算しなければなりません。費用を圧縮するためには、そもそも良い原稿が提出されればいいのですが、「なかなか良い記事が上がってこない」という話もよく聞きます。のちの作業負担を軽くするためにも、以下の点に留意して記事を発注してみましょう。

(1)検索キーワードだけ渡しても良い記事は上がってこない

担当者はコンテンツの企画段階でいろいろ考えた結果、検索キーワードを決定しています。しかし、キーワードだけを渡しても、どういう記事を書いてほしいのか、ライターには伝わりません。考えたテーマやアウトラインも、きちんと共有する必要があります。

(2)専門家と一般ユーザーでは使う用語が違うこともある

これは、評論家や専門ライターに依頼したときに起きるトラブルですが、専門家が使う用語と、一般の人が検索する用語が違っている場合があります。記事の内容自体が良くても、専門用語で書いているためにわかりにくいとか、そもそも検索結果に上位表示されないこともあります。あらかじめ「この用語はこちらに置き換える」というリストを渡しておきましょう。

(3)詳細な仕様書をつくって発注する

上記2点を解決する意味でも、記事発注の際には詳細な仕様書を作成するのがおすすめです。仕様書には、以下の項目を記載しましょう。

  • 記事タイトルや見出し
  • 章ごとのおおまかな内容と文字数
  • NGワード(置き換える用語)

サイトの運用にはCMSが最適

顧客接点として利用するコンテンツは、社員のブログから、Webセミナーや資料ダウンロードもできる大規模なオウンドメディアまでさまざまです。自社の顧客のタイプやビジネスの特徴に合わせて、最適なコンテンツを作成してください。手始めに取り組みやすいのはブログなどのWeb記事ですが、ビジネスブログの構築にはCMSの活用が欠かせません。

CMSについては、以下の記事を参考にしてみてください。

▼参考記事▼
CMSの基礎知識|機能やメリット・無料と有料サービスの違いや選ぶポイントは?
CMSの特長と導入するメリット・デメリット
静的CMSと動的CMSの違いは?選ぶ時のポイント解説

クラウド型CMSを導入するならPattern Style CMS