CMSの導入を考えている企業にとって疑問なのは、「本当に効果があるのか?」という点ではないでしょうか。仮にCMSの知識が豊富で導入効果を確信していても、導入の決定権がなければ意味がありません。事実、「導入したくても上司を納得させる材料がない」という現場もあります。そこで知っておきたいのが、数値計算に基づいて導入後の効果を示せる「費用対効果(ROI)」です。今回は、CMS導入における費用対効果について詳しく解説します。

費用対効果(ROI)とは?

費用対効果とは、ひと言で言えば「お金をかけることでどれほどの見返りが得られるか」という意味。ビジネスでよく使われる言葉です。ほぼ同じ意味としては、「投資対効果」「投資利益率」「Return on Investment(ROI)」などの言葉もあります。

費用対効果はビジネスの基本的な考え方

基本的に会社の事業というのは、利益拡大が目的です。ほとんどの場合は、材料の仕入れや人件費、事業所の家賃などの「経費」がかかります。もし経費が売り上げを上回ると、赤字になってしまいます。したがって、各事業やプロジェクトなどにおいては、「黒字化できるかどうか」という考えが根本にあります。こうした局面でよく使われる指標が「費用対効果」です。もちろんこの考え方はメインの事業に限らず、広告を出すときや設備を整えるときなどにおいても重要になります。

投資前の検証に使われる指標

費用対効果は、「その投資コストは収益拡大に効果があるのか?」を考えるうえで重要な指標なので、投資前の検証によく使われます。例えば、設備投資の場合、候補となる設備のコストと導入後に見込まれる利益からそれぞれ費用対効果を割り出し、見比べることで選定する際のひとつの基準にするというイメージです。

費用対効果の計算方法

費用対効果は数値で表すことが可能です。単位はさまざまですが、ROIの場合は基本的に百分率で表します。計算方法は以下の通りです。

費用対効果(ROI)=利益 ÷ コスト × 100

例えば、費用対効果が200%となれば、投資した分の2倍のリターンが見込まれるということです。また、費用対効果が100%ならトントン、100%未満なら赤字になります。

利益はお金に限らない

この計算方法はあくまで基本の形です。特に利益については売り上げに限らず、作業スピードや削減可能な人員数といった効率面に焦点を当てることもあります。つまり、何を「利益」とするかはそれぞれのケースによって異なるということです。

CMS導入における費用対効果とは?

それらを踏まえたうえで、CMSを導入したときの費用対効果について考えてみます。

CMSが導入されると、Webサイトの運用・管理が効率化されることが期待できるので、同じ時間内に更新できるページ数が増えたり、承認できるワークフローが増えたりします。ただ、このあたりはCMSとの関連はあるものの、季節による繁閑や作業に関わる人数などによって影響を受けるため、費用対効果を測る指標として利用するのは難しいかもしれません。

最も重要な指標は「生産性」

CMSによって効率化されるもののなかで、最も重要な指標と言えるのは「1人当たりの生産性」であると考えられます。1人当たりの生産性は、「新規・更新ページ数」と「作業者全員の合計作業時間」で計算することが可能です。したがって、CMS導入における費用対効果を検証する際は、CMS導入前の生産性と、CMS導入後に見込まれる生産性を比べるのが適切だと言えます。

また、合計作業時間を金額換算し、ページ更新作業単位にかかるコストがどう変わるのか検証したり、ページ更新以外の作業(例えば、システム保守作業、各種調査といったコンプライアンス対応コスト等)においても、CMS導入前と導入後で比較したりすると、効果検証がやりやすくなるでしょう。

特に情報セキュリティ対策やコンプライアンス対応業務などは「CMSを利用しないとできない」といった結論になることが多く、これらは企業でCMS導入が増えている理由の1つといえます。

生産性アップで人件費のコスト削減も

CMSを導入することで生産性がアップするということは、今までよりも少ない人数でWebサイトの運用・管理ができるということです。そうなれば、余った人員を別の業務に回すことができ、残業も減らせるでしょう。つまり、人件費というコストを削減できるわけです。

CMS導入・運用のポイント

CMSを導入すればそれだけでコストを削減できるかというと、そうではありません。導入時はもちろん、導入後にもきちんと運用していく必要があります。したがって、コスト削減を実現するためにも、以下に挙げるポイントに注意しましょう。

サイトの特性に合ったCMSを選定する

CMSごとに想定しているサイトの規模やアクセス数が異なります。ここが大きくずれてしまうと、運用に支障をきたします。スムーズに運用していくためにも、サイトの特性を把握したうえでCMSを選定することが肝心です。

KPIを設定して繰り返し改善していく

目標に対する進捗具合を示す指標であるKPI(重要業績評価指標)を設定すると、目指すべきこととそこまでの道のりがより明確になります。KPIに設定するのは、売り上げやアクセス数、資料請求数など、それぞれのサイトに応じた目的です。KPIを設定し、進捗が芳しくないのであれば原因を分析しなければなりません。原因分析はアクセス解析ツールを活用することで、ユーザーの行動や思考がある程度把握できるため、原因を探りやすくなります。原因の予測がついたらそれに合わせてサイトを改善していきましょう。

保守業務をアウトソースし、コンテンツ企画・運用に集中する

CMSの保守の観点では、システムのバージョンアップやセキュリティ対策などの保守業務が必要となり、システムやサーバーの専門知識をもつ要員と運用体制を自社で維持し続けねばなりません。

ただし、この課題は業務システムのクラウド化や保守業務のアウトソーシングを積極活用することで解消できます。専門性の高い保守業務をアウトソースし、自社の人的リソースをコンテンツの企画・運用に効率よく割り当てることができます。

明確な根拠があれば説得力は高い

しっかりと社内の状況を分析し、明確な費用対効果を示すことができれば、CMSの導入につなげることができるでしょう。また、ページ更新業務だけでなく、システム保守などサイト運用にかかる業務全体の効率化・最適化という視点もとても重要になります。

ただし、単に導入するだけでは効果を最大限に活かすことはできません。むしろ重要なのは、導入後の運用と体制です。きちんとPDCAサイクルを回しながら、継続してサイトの改善を図っていきましょう。

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