今やサイト運営にCMSは欠かせないものです。サイトデザインの変更やWebマーケティング機能、ワークフローの確立、他システムとのコンテンツ連携など、CMSでできることは数多くあり、上手に活用すればサイトを効果的に運営できます。
しかしCMSの機能を活用できず、コストだけが肥大化して運用負荷が軽減されない、といった問題も起こっています。その原因のひとつに、CMSのワークフロー機能を上手に活用できていないことが挙げられます。今回は、CMSのワークフロー機能と、その活用方法などについて解説します。
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「コンテンツの管理」に役立つCMSの機能
CMSの本質は、コンテンツの「管理」にあります。下記で紹介するワークフロー機能、バージョン管理機能、検証機能、コンテンツ配信機能は、CMSの基本機能だと言ってもよいでしょう。
これらの基本機能は、コンテンツ更新時の事故原因検証や担当者の役割分担の明確化に役立ち、万が一の事態への対応や管理業務の負担を軽減してくれます。
コンテンツ管理の4機能を紹介
1.ワークフロー機能
企業においては、担当者がページの更新作業を行い、上司が承認の後、情報公開するといったフローが必要になります。ワークフロー機能は、担当者の確認、責任者の承認作業などをサポートしてくれる機能です。
2.バージョン管理機能
いつ、誰が、どのような作業を行ったのか、コンテンツのバージョン管理ができる機能です。コンテンツを管理する人員が増えれば増えるほど、大切な機能となります。これにより、履歴をたどって修正前のバージョンに戻すこともできます。
3.検証機能
制作したコンテンツを公開前に確認する機能です。内容の正確性やレイアウトの正しさ、リンク切れの有無を確かめ、問題があれば担当者に修正を依頼することで、コンテンツ公開後の事故を防げます。
4.コンテンツ配信機能
検証済みのコンテンツをサーバ上にアップする機能で、公開日や公開時刻、公開終了日を指定できるCMSもあります。また複数のサーバに同時配信して同時公開する機能があり、あとで問題が発覚した場合に公開前の状態に差し戻すことも可能です。
ワークフロー機能の目的や活用方法
では、CMSの基本機能のうち、ワークフロー機能について解説していきましょう。CMSではコンテンツを公開する前の責任者への確認、レビュー、承認作業などをシステム上で完結できます。
ワークフロー機能が高度なCMSでは、コンテンツ承認者を複数設定したり、別の承認フローを設定したりすることが可能です。
ワークフロー機能を使った場合の、コンテンツ承認から公開までの流れは以下のとおりです。
- コンテンツ作成
- コンテンツ公開承認依頼
- 責任者によるコンテンツ確認
- 承認して公開あるいは却下して差し戻す
ワークフロー機能を導入する目的
ワークフロー機能は、以下のような課題に対応できます。
- コンテンツ管理フローを明確化する
- コンテンツの管理履歴を記録する
- 事故を防ぐ
サイトの運営ルールや承認手順があいまいになっていると、誤表記や外部公開してならない秘密情報を予定より早く公開してしまう、などのトラブルにつながりかねません。ワークフロー機能の導入は、不正確性による事故を防止したり、非効率性の改善にも効果を期待できます。
ただし、ワークフローの管理を複雑化すると、公開までに時間がかかり、かえって業務効率が下がることも考えられます。ワークフローは、本当に必要なものだけに絞りましょう。
CMSのワークフロー機能が必要な主な組織
CMSのワークフロー機能が必要な組織には、下記のようなものが例として挙げられます。
- コンテンツ登録者と配信責任者が異なる業務をしている場合
- コンプライアンスやリーガルチェックの承認が必要な場合
- 海外ニュースなどを翻訳して発信する場合
CMSの運用は組織的に行うことが大切
CMSのワークフロー機能は組織内のワークフローが確立されており、かつその流れが煩雑でないからこそ活きるものです。やみくもにワークフロー機能を使うのではなく、組織として情報公開の即時性、事故の防止、公開責任の所在の明確化など、何が重要かを検討した上で、ワークフロー機能を導入するかどうかを決定しましょう。