注意したい販売時の宣伝文句

コロナウイルス感染予防のためにと、マスクや消毒液が飛ぶように売れ、価格が高騰しています。最近では、こうした衛生用品に加えて「ウイルスの予防に効果がある」といううたい文句で販売されている健康食品やサプリメントなどの商品があります。

競合商品との差別化を図るために、自社商品を強くアピールしたいという意図はわかりますが、根拠のない効果・効能をうたうことは法律で禁止されています。このような広告を行う企業に対しては、消費者庁から指導や改善要請がなされます。

知っておきたい「景品表示法」と「健康増進法」

広告などの宣伝・販売促進で使用する表現には、景品表示法健康増進法などの法律が関わってきます。

まず、景品表示法は広告表示の適正化を図る法律で、違反となる広告(表示)を定めています。その中の一つに「優良誤認表示」があります。優良誤認表示とは商品やサービスを実際以上に良いものに誤解させるおそれのある広告のことです。

また、健康増進法はサプリメントなど食品に関する表示のルールを定めたもので、「効果がないのにそれをあるようにみせたり」、「効果を実際以上にあるようにみせたり」することで消費者に誤解を与える広告を食品の虚偽・誇大表示として禁止しています。

さらに、サプリメントを医薬品であるかのような表現をすれば、薬機法違反にもなります。

どんな表現を使ったらダメなの?

たとえば、新型コロナウイルス感染症予防に関する商品の場合、このような表現はNGです。

  • 〇〇を食べれば新型コロナウイルスに感染しない
  • 新型コロナウイルスを100%除去できる

洗濯洗剤などのテレビCMで「いやなニオイ菌を99.9パーセント除菌!」というのを聞いたことがありませんか?あれはまさに絶対と言えないものを「絶対!」と言わないルールに則った表現なのです。もちろん、99.9パーセントと表現するにも、厳正な効果検証に基づいたものである必要があります。

テレビや雑誌の広告に比べ、ネットは量が多すぎて法の目がどうしても届きにくいため、明らかに違法な表現が横行しているのが現状です。「ほかのショップが使っているからうちでも使って大丈夫なのでは?」という思いから、同じような表現を使ってしまうこともあるかもしれません。しかしそれは違法です。

法律に違反するとどうなる?

新型コロナウイルス関連商品は多くの方が情報を求めているため、あなたのお店が「コロナに効く」と書いて販売した場合、その商品を「このお店でこんな商品が出てたよ!」と、お客様が善意で広めてくれることもあるでしょう。その結果、たくさん購入申し込みがあり、一時的に売上が上がるかもしれません。しかしその一方で、「法律違反ではないか?」と国民生活センターや消費者庁に通報され、指導が入る可能性もあります。

景品表示法という法律に違反すると、消費者庁の指導・勧告があり、こうした指導や改善命令に従わず悪質と判断されれば、2年以下の懲役または300万円以下の罰金刑が科されます。さらに別に行政処分として該当商品やサービスの売上額の3パーセントの金額(算定期間は最長で3年分)が課徴金として科されることもあります。

消費者庁は違反事例をHP上で公表しており、そこにもお店の名前や代表者の氏名、商品名などが掲載されます。こうした刑事罰や課徴金の重さもさることながら、一時の売り上げのために、あなたが大事に育ててきたお店の信用は、一気に失われてしまいます。

たとえ「よい商品だから多くの人にその効果を伝えたい!」という気持ちだったとしても、商品の表記、広告方法にはくれぐれも気をつけて、根拠となるデータを精査してから用いるようにしましょう。

監修:デイライト法律事務所