長期化する新型コロナウイルスの影響を受け、多くの事業者が厳しい状況に置かれています。国では、返済不要の補助金を複数設けています。

本記事では、2021/6/15現在の個人事業主・小規模事業者向けの制度をご紹介します。ご自身で活用できるものがあれば、ぜひチェックしてみてください。
※支援制度の内容は、変更される可能性があります。最新情報は必ず各制度の公式サイトにてご確認の上、手続きの準備を進めてください。

事業再構築補助金

新型コロナウイルスの影響を受け、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編などの事業再構築に挑戦する中小企業を支援する補助金です。

2021年の緊急事態宣言により、より深刻な影響を受ける事業者向けには、補助率が高く、優先的に審査される「緊急事態宣言特別枠」も設けられています。

対象事業者

  1. 2020年10月以降の連続する6ヵ月間のうち、任意の3ヵ月 の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3ヵ月の合計売上高と比較して10%以上減少
  2. 新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編に取り組む
  3. 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定
    ※認定経営革新等支援機関とは、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等のこと。

緊急事態宣言特別枠の対象は、通常枠の申請要件を満たし、かつ、緊急事態宣言の影響により、2021年1月〜6月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少している事業者です。

補助対象経費

主に、以下が補助の対象となります。

対象経費 内容
建物費 事業のために使用される事務所、生産、販売設備等の建設・改修等にかかる経費
機械装置・システム構築費 事業のために使用される機械装置、工具、専用ソフトウェア購入等にかかる経費
技術導入費 事業を行うにあたり必要な知的財産権等の導入にかかる経費
専門家経費 事業遂行にあたり依頼した専門家に支払われる経費
運搬費 運搬料、宅配・郵送料等にかかる経費
クラウドサービス利用料 クラウドサービスの利用にかかる経費
外注費 事業遂行のために必要な外注にかかる経費
知的財産権等関連経費 特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料などにかかる経費
広告宣伝・販売促進費 提供する製品・サービスにかかる広告の作成や媒体への掲載等にかかる経費
研修費 事業遂行に必要な教育訓練や講座受講等にかかる経費

補助率と補助額

中小企業

補助額 補助率
通常枠 100万円~6,000万円 2/3
卒業枠 6,000万円超~1億円 2/3

※卒業枠とは、事業計画期間内に「組織再編」「新規設備投資」「グローバル展開」のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠。(400社限定)

中堅企業

補助額 補助率
通常枠 100万円~8,000万円 1/2
(4,000万円超は1/3)
グローバルV字回復枠 8,000万円超~1億円 1/2

※グローバルV字回復枠とは、以下の要件を全て満たす中堅企業向けの特別枠。(100社限定)
①2020年10月以降の連続する6か月間のうち任意の3ヵ月の合計売上高がコロナ以前の同3ヵ月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業。
②補助事業終了後3~5年で付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成を見込む事業計画を策定すること。
③グローバル展開を果たす事業であること。

緊急事態宣言特別枠

従業員数 補助額 補助率
5人以下 100万円~500万円
中小企業:3/4
中堅企業:2/3
6人~20人 100万円~1,000万円
21人以上 100万円~1,500万円

申請方法

専用サイトよりgBizIDプライムアカウントを取得し、電子申請を行います。
操作手順や提出書類については、マニュアルを参照してください。

申請期間

第2回申請:2021/5/26~2021/7/2

事業再構築補助金の詳細はこちら

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者の業務効率化・売上アップのサポートを目的とし、ITツールの導入にかかる経費の一部を補助するものです。2021年は通常枠(A・B類型)と低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)が用意されています。

低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)は、労働生産性の向上だけでなく、業務形態の非対面化等に取り組む事業者に対して、通常枠(A・B類型)よりも補助率を引き上げて優先的に支援するものです。

対象事業者

以下の資本金もしくは従業員規模の条件を満たす中小企業(一部抜粋)。詳細は公式ページを参照。

中小企業

業種・組織形態 資本金 従業員
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ソフトウエア業又は情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
医療法人、社会福祉法人、学校法人 300人
商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所 100人

小規模事業者

業種分類 従業員
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

補助対象経費

補助対象となるツールの要件等は以下の通りです。

種類
通常枠 低感染リスクビジネス枠
A類型 B類型 C類型-1 C類型-2 D類型
ツール要件 類型ごとのプロセス要件を満たすものであり、労働生産性の向上に役立つITツールであること。(当該要件はC・D類型においても前提条件) 複数プロセスの非対面化や業務の更なる効率化を可能とするもの テレワーク環境の実現に向けてクラウド環境に対応し、複数プロセスの非対面化を可能とするもの
補助対象
ソフトウェア費
導入関連費等
ハードウェア
レンタル費用
×

補助率・補助額

種類
通常枠 低感染リスクビジネス枠
A類型 B類型 C類型-1 C類型-2 D類型
補助額 30万~150万円未満 150万~450万円以下 30万~300万円未満 300万~450万円以下 30万~150万円以下
補助率 1/2以内 2/3以内

※申請できるのは、いずれか1類型のみ

申請方法

申請は以下の手順で行います。

  1. IT導入支援事業者の選定とITツールの選択
  2. 専用サイトよりgBizIDプライムアカウントを取得
  3. SECURITY ACTION」の宣言
    ※中小企業・小規模事業者自らが、情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度
  4. 申請ページより電子申請

また、申請後の補助金交付までの流れは以下の通りです。

  1. ITツールの発注・契約・支払い(補助事業実施)
  2. 事業実績報告
  3. 補助金交付手続き
  4. 事業実施効果報告

申請期間

2021/6/9現在、補助金申請を受け付けているサイトでは「申請終了時期は後日案内予定」となっています。申請前に、最新のスケジュール情報をご確認ください。

IT導入補助金の詳細はこちら

ものづくり補助金

ものづくり補助金とは、中小企業・小規模事業者等が今後相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ等)に対応するため、事業者が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する補助金です。

また、新型コロナウイルスの影響を受け、社会経済の変化に対応したビジネスモデルへの転換に向けて前向きな投資を行う事業者に対して、通常枠とは別に、「低感染リスク型ビジネス枠」を設けています。通常枠よりも補助率を引き上げ、営業経費を補助対象として、優先的に支援してくれます。

対象事業者

補助の対象となる事業者は、以下の通りです(一部抜粋) 。詳細は公式ページよりご確認ください。

1. 中小企業

業種・組織形態 資本金 従業員
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ソフトウエア業又は情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人

2. 組合関連
企業組合、商工組合、商店街振興組合など

3. 特定非営利活動法人
従業員数が300人以下の特定非営利活動法人など

補助対象経費

一般型
グローバル展開型
通常枠 低感染リスク型
ビジネス枠
補助対象要件 中小企業者等が行う「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・ サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等 中小企業者等が海外事業の拡大・強化等を目的とした「革新的な製品・サー ビス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・ システム投資等
対象経費 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、 クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 広告宣伝費・販売促進費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、 クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサ ービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、海外旅費

補助率・補助額

一般型
グローバル展開型
通常枠 低感染リスク型
ビジネス枠
補助額 100万円~1,000万円 1,000万円~3,000万円
補助率 中小企業者:1/2
小規模企業者・小規模事業者:2/3
2/3 中小企業者:1/2
小規模企業者・小規模事業者:2/3

※50万円(税抜)以上の設備投資が必要です。

申請方法

専用サイトよりgBizIDプライムアカウントを取得し、電子申請を行います。
申請書類や申請手順については、公募要項を参照してください。

申請期間

第2回申請:2021/6/3~2021/8/17

ものづくり補助金の詳細はこちら

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が今後相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)に対応するため、小規模事業者等が取り組む販路開拓等の経費の一部を補助することにより、生産性向上や持続的発展を図ることを目的とした補助金です。

また、「低感染リスク型ビジネス枠」も新たに設けられており、通常よりも補助額や補助率も引き上げられています。 対人接触機会の減少と事業継続を両立させる新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等への取り組みが支援の対象です。

対象事業者

対象事業者は、「指定の条件を満たす小規模事業者であること」をはじめとする複数の条件を満たす必要があります。

詳細は、それぞれの公式ページにてご確認ください。

補助対象経費

補助対象となるのは、例えば、新たな市場への参入に向けた売り方の工夫や新たな顧客層の獲得に向けた商品の改良や開発、販路開拓等と併せて行う業務効率化の取組、などです。

主に以下の経費が対象となります。

通常枠 低感染リスク型ビジネス枠
①機械装置等費
②広報費
③展示会等出展費
④旅費
⑤開発費
⑥資料購入費
⑦雑役務費
⑧借料
⑨専門家謝金
⑩専門家旅費
⑪設備処分費
⑫委託費
⑬外注費
①機械装置等費
②広報費
③展示会等出展費(オンラインによる展示会等に限る)
④開発費
⑤資料購入費
⑥雑役務費
⑦借料
⑧専門家謝金
⑨設備処分費
⑩ 委託費
⑪外注費
⑫感染防止対策費

補助率・補助額

通常枠 低感染リスク型ビジネス枠
補助額 最大50万円 最大100万円
補助率 2/3以内 3/4以内

※感染防止対策費は、補助金総額の1/4(最大25万円)が上限

申請方法

専用サイトよりgBizIDプライムアカウントを取得し、電子申請システム「jGrants」より申請します。

書類の作成方法や窓口で必要書類を受け取る手順など、詳細については公式サイトでご確認ください。

申請締切

通常枠 低感染リスク型ビジネス枠
第6回締切:2021/10/1
第7回締切:2022/2/4
第2回締切:2021/7/7
第3回締切:2021/9/8
第4回締切:2021/11/10
第5回締切:2022/1/12
第6回締切:2022/3/9

給付金や補助金に関わる詐欺には十分注意を!

補助金の支援事業者を装った詐欺の事例なども報告されています。まずは、公式サイトにて正しい情報を収集し、不明点があればまずは公式の相談窓口に問い合わせてみましょう。

また、状況によって各制度の内容や締切などが変更になる場合があります。最新情報はぜひ公式サイトでご確認ください。

ファクタリング(売掛金買取)サービスの活用も

ファクタリングサービスとは、事業者に請求書を買い取ってもらうことで、売掛金の早期現金化が可能になり、銀行融資やビジネスローンに頼ることなく現金を得ることができるサービスです。

手数料や買取のスピード感、買取可能額などの観点から、自分に合った事業者があれば、活用も検討しましょう。