温暖化や気候変動といった環境問題が世界的に注目される中、CO2削減や脱炭素などの課題解決に向けた取り組みは、各企業や事業者にとって急務となっています。そこでこの記事では、省エネルギー化推進のために国が設けた、事業者向けの代表的な支援制度についてまとめました。

補助金の多くは毎年2月から6月頃までに募集を開始し、申請期間は1ヵ月前後であるため、公募が終了しているものもありますが、今後のビジネスに活用できそうな補助金がないか、ぜひチェックしてみてください。

先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金

経産省による、事業所や工場に対する省エネ化のための支援制度です。設備導入にかかる設計費や設備費、工事費用に対して補助金が支払われます。導入予定の設備の種類とその省エネ効果に応じて、下記A~Dの4つの区分から申請することが可能です。

募集の実施は、令和3年度から令和12年度までの10年間を予定。令和3年度の公募期間は5月20日〜6月30日。詳細については、執行団体である一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)のウェブサイトを参照。

A. 先進事業

対象: 事前にSIIが補助対象として採択・公表した先進設備・システム
補助率: 中小企業2/3以内、大企業1/2以内
補助額: 100万円〜15億円/年度

B. オーダーメイド型事業

対象: オーダーメイド型設備
補助率: 中小企業1/2以内、大企業1/3以内
補助額: 100万円〜15億円/年度

C. 指定設備導入事業

対象: あらかじめ指定されたユーティリティ設備・生産設備
補助率: 設備の種別や性能ごとに設定された定額
補助額: 30万円〜1億円/年度

D. エネマネ事業

対象: SIIに登録されたエネマネ事業者によるエネルギーマネジメントシステム(EMS機器)
補助率: 中小企業1/2以内、大企業1/3以内
補助額: 100万円〜1億円/年度

省エネルギー設備投資に係る利子補給金

同じく経産相による、融資に関する補助金です。省エネ設備の新設や増設、EMSやクラウドサービス活用のための資金調達に際して、民間金融機関から受ける融資の利息が一部補給されます。

利子補給率: 上限1%
補給期間: 最長10年間
補給支払: 年2回

本制度は令和3年度で終了の予定。令和3年度の公募期間は11月中旬までで、予算額に達し次第終了となります。詳細はSIIのウェブサイトを参照。

建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業

環境省が経産省・国交省・厚労省と連携して取り組んでいる「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」の一つで、業務用施設のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化やCO2削減のための高効率設備導入に対する支援が行われます。全6事業が対象ですが、一般的な企業が対象になるのは以下の3事業です。

①レジリエンス強化型ZEB実証事業

対象: 災害時に自立的にエネルギー供給可能な活動拠点となる公共性の高い業務用建築物
補助率: 1/3、2/3

②ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業

対象: 面積1万m²未満の新築民間建築物、2,000m²未満の既存民間建築物、地方公共団体所有の建築物(面積上限なし)
補助率: 1/3、1/2、2/3

③既存建築物における省CO2改修支援事業

対象:既存の民間建築物、テナントビル、空き家
補助率: 1/3、1/2、2/3
補助額: 上限4,000万円(テナントビル)、5,000万円(民間建築物)など

募集はいずれも令和5年度まで実施予定。令和3年度の公募期間は6月3日~7月26日。詳細については、一般社団法人静岡県環境資源協会(SERA)のウェブサイトを参照。

工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)

SHIFTはSupport for High-efficiency Installations for Facilities with Targetsの略で、同じく「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」の一つです。以下2つの取り組みに対して補助が行われます。

①脱炭素化促進計画の策定支援

対象: CO2排出量50t以上3,000t未満の工場・事業場を保有する事業者
補助率: 1/2以内
補助額: 上限100万円

②設備更新に対する補助

対象: 脱炭素化促進計画に基づく設備更新の補助
補助率:1/3以内
補助額: 上限1億円もしくは5億円

募集の実施は、令和3年度〜令和7年度を予定。令和3年度の公募期間は①5月28日~7月29日、②5月28日~6月29日。詳細については、一般社団法人温室効果ガス審査協会のウェブサイトを参照。

大規模感染リスクを低減するための高機能換気設備等の導入支援事業

飲食店など、不特定多数の人が集まる業務用施設を対象にした、環境省による補助金です。全熱交換型換気設備の新設や増設、更新、それに伴うエネルギー効率の高い空調設備や電気設備の改修などに利用できます。業務用施設からのCO2排出量の削減とともに、新型コロナウイルス感染拡大のリスク低減を目的としています。

対象: 全熱交換器(必須)、空調設備、電気設備、測定機器、工事費
補助率: 1/2
補助額: 上限1,000万円

令和3年度の公募期間は3月16日~7月22日。詳細についてはSERAのウェブサイトを参照。

既存建築物省エネ化推進事業

国土交通省による、建築物ストックの省エネ化を促進するための補助金です。民間事業者の既存建築物に対する改修工事などの費用が、一部補助されます。支援の対象となるのは、以下の2つの取り組みです。

①省エネルギー性能の診断・表示に対する支援

対象: 既存建築物省エネ性能の診断、第三者認証・認定の取得、表示に要する費用
補助率: 1/3(波及効果によっては定額)

②建築物の改修工事

対象: 省エネルギー改修工事、バリアフリー改修工事に要する費用
補助率: 1/3
補助額: 上限2,500万円もしくは5,000万円

令和3年度の公募期間は①4月19日~9月30日、②4月19日~5月26日。詳細については、既存建築物省エネ化推進事業評価事務局のウェブサイトを参照。

各自治体による省エネ補助事業も要チェック

このほか全国各地の自治体においても、省エネ関連の取り組みに対する補助金や助成金が数多く設けられています。ぜひお住まいの都道府県や市町村のウェブサイトなどをチェックしてみてください。