今や全世界に広まっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。政府は、在宅勤務(テレワーク)やお店・施設の休業、外出自粛といった対策を各所に要請し、経済に大きな影響が出ています。その影響で収入の減少しているフリーランスもいるでしょう。今回は、フリーランス向けの経済対策として利用できる代表的な助成金・補助金について解説します。

※掲載情報は2020/8/14時点

持続化給付金

経済産業省は、新型コロナウイルスで大きな影響を受けた事業者に対し、返済不要の給付金を支給します。

対象は、売上前年同月比で50%以上減少しているフリーランスを含む個人事業主や法人(資本金10億円以上の大企業は除外)です。

青色申告は単月の売上で判断しますが、白色申告は月の平均売上(=前年の総売上÷12)で判断します。
※前年同月の実績が出せない創業1年未満の事業者や2019年の事業収入が0円の場合などでも、特例が適用され、指定の条件を満たせば給付金を受給できます。

給付額

給付額の上限は、フリーランスを含む個人事業主で100万円、法人で200万円です。

給付額 = 前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上げ×12カ月)

たとえば、以下を例に計算方法と給付額を確認してみましょう。

  • 昨年の総売上:480万円
  • 昨年4月の売上:40万円
  • 今年4月の売上:20万円

480万円-(20万円×12カ月)=240万円 となりますが、フリーランスの上限により、100万円の給付となります。

月間事業収入が前年同月比50%以下となる月は、2020年1月~12月から事業者が自由に選べます。

申請方法

以下の書類をそろえ、オンラインもしくは完全予約制の窓口で申請します。申請期限は2021/1/15までです。

  1. 本人確認書類
  2. 2019年の確定申告書類の控え
  3. 減収月の事業収入額を示した帳簿等(※様式は問わない)
  4. 通帳の写し

※提出書類は給付対象者の条件によって異なります。

申請期限は2021/1/15までです。

小学校休業等対応支援金

子どもの通う学校が休業したため、仕事を休まざるを得なかった子育て世代向けの支援金です。学校の休業より前に、フリーランスとして「業務委託契約」を結んだ上で仕事をしていることが条件です。

対象は、親権者、未成年後見人、その他の者(里親、祖父母等)など子どもを現に監視する者、または子どもの世話を一時的に補助する親族です。

対象となる教育機関は、小学校をはじめ幼稚園、保育所、放課後児童クラブ、特別支援学校などです。詳細は厚生労働省のページをご確認ください。

支援額

支援額は、期間によって以下の通り異なります。

  • 2020/2/27から2020/3/31まで:就業できなかった日1日当たり4,100円(定額)
  • 2020/4/1から2020/9/30まで:就業できなかった日1日当たり7,500円(定額)

たとえば、就業できなかった日が、2020/2/27から2020/3/31までの期間で20日、2020/4/1から2020/9/30までの期間で50日あったとすると、支援額は以下の通りです。

4,100円×20日+7,500円×50日=457,000円

ただし、春休みや休校日など、そもそも開校予定でない日は対象外となります。

申請方法

申請書に記入し、学校等休業助成金・支援給付受付センター(厚生労働省の委託事業者)へ郵送(配達記録の残るもので)します。申請期限は2020/12/28までです。

提出先は住所によって異なるため、厚生労働省HPをご確認ください。申請書類など、より詳しい情報もご確認いただけます。

子育て世帯への臨時特別給付金

子育て世帯に給付されている「児童手当」へ特別に上乗せして給付を行います。

児童手当の対象は、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方です。

2020年4月分(3月分を含む)の児童手当を受給する方に、上乗せた額を特別支給します。

給付額

対象児童一人あたり1万円

申請方法

公務員の方を除き、申請手続きの必要はありません。(公務員については、所属庁が支給対象者であると証明した上で、本人が居住市町村に申請。)

お住まいの市町村から支給対象者へ、給付金の案内が送付され、児童手当登録銀行口座等に振り込まれます。

詳細は、お住まいの市区町村の「令和2年度子育て世帯への臨時特別給付金」についての情報をご確認ください。

家賃の給付金は2種類

家賃支援給付金

新型コロナウイルスの影響を受けて売上が減少している事業者向けに、家賃負担を軽減するための給付金で、返済は不要です。

給付額

給付額の上限は、個人事業主が300万円で、法人は600万円です。給付額の算定方法は以下の通りです。

①賃料が37.5万円以下の場合

賃料が37.5万円以下の場合、賃料の2/3を6倍した金額が給付額となります。

例えば、1ヶ月の賃料が30万円なら、30万円 × 2/3 × 6 = 120万円です。

②賃料が37.5万円以上の場合

賃料が37.5万円以上の場合、賃料の上限37.5万円の2/3を6倍した金額(150万円)と、支払った賃料のうち37.5万円を超える金額の1/3を6倍した金額の合計が給付額となります。

例えば、1ヶ月の賃料が120万円なら、150万円+(60万円-37.5万円)× 1/3 × 6 =  315万円です。ただし、上限は300万円なので、300万円が支給されます。

申請方法

申請はWeb、もしくは申請サポート会場で行います。

Webで申請を行う場合は、以下の必要書類を用意した上で、こちらのページから申請を行います。

  1. 自署の誓約書
  2. 売上に関する書類
  3. 賃貸借契約に関する書類
  4. 口座情報に関する書類

サポート会場での申請には、事前予約が必要です。こちらから予約し、必要書類を用意した上で会場に向かいましょう。

申請期限は、2021/1/15までです。

住居確保給付金

収入が減り家賃の支払いが滞ると、住む場所を失ってしまう恐れがあります。住所がなければ、さまざまな契約や支援の申請をできなくなってしまいます。

生活困窮者自立支援制度の「住居確保給付金」は、自治体が一定期間、家賃相当額を給付するもので、返済は不要です。

支給期間は原則3カ月で、状況に応じて最長9カ月です。

支給対象は、通常は低所得者。しかし、厚生労働省は、各自治体に対し2020/4/20から「新型コロナウイルスの影響により休業などで収入が減り、離職や廃業には至っていないが同程度の状況にある人」に拡大を要請しました。

条件となる収入・資産は、各地域で異なります。たとえば、東京23区の場合、以下のように設定されています。

  単身世帯 2人世帯 3人世帯
収入基準額(月額) 138,000円 194,000円 241,000円
支給家賃額(上限) 53,700円 64,000円 69,800円

※収入には、失業などの給付も含まれます

申請方法

申請方法や必要書類は自治体によって異なる場合があります。各自治体の窓口に確認しましょう。

事業を続けるために冷静な対応を

新型コロナウイルスに関わる支援制度は、それぞれの省庁や自治体、業界団体などで幅広く行われています。今回ご紹介した以外の支援も日々追加され、支援内容も更新されています。各機関の発信する情報を随時チェックし、ご自身の状況に合わせて必要な支援を受け、事業存続のために冷静な対応をしていきましょう。

また、税金や年金、健康保険といった支払いに困った場合には、納付の猶予制度や税額の軽減制度を利用しましょう。

経済産業省は電気やガス事業者に対して、料金の未払いによる供給停止の猶予など、柔軟な対応を行うことを要請しています。もしもの場合は、契約している事業者へ問い合わせてみましょう。

ファクタリング(売掛金買取)サービスの活用も

ファクタリングサービスとは、事業者に請求書を買い取ってもらうことで、売掛金の早期現金化が可能になり、銀行融資やビジネスローンに頼ることなく現金を得ることができるサービスです。

手数料や買取のスピード感、買取可能額などの観点から、自分に合った事業者があれば、活用も検討しましょう。

監修 : 武井 綾子(中小企業診断士)
女性や若年層をターゲットとした商品・サービスに関する売上施策およびSNSを活用した集客施策を得意とし、現在、全国各地で創業支援・事業改善支援・事象承継支援を実施中。