全国的に新型コロナウイルスの感染者数が増え、日本でも2度目の緊急事態宣言が発令されました。一部地域において、飲食店を対象に時短営業を余儀なくされています。
本記事では、飲食店において避けなければならない「三密」や「外食業向けガイドラインに則った感染対策」を今一度おさらいします。
三密(三つの密)とは?
三密(三つの密)とは、密閉・密集・密接を指す言葉です。新型コロナウイルス感染症対策で私たちが日常生活において避けるべきものとして、様々な場面で登場するようになりました。
では実際に、密閉・密集・密接はそれぞれ具体的にどのような状況を指すのでしょうか?
密閉
密閉とは、密閉空間のことを指します。部屋や乗り物などの大きさは関係なく、「換気」が重要とされています。
厚生労働省の手引きには、具体的な換気の仕方について、以下のように記載されています。
- 風の流れができるように、2方向の窓を1回数分程度全開にする。換気回数は毎時2回以上
- 窓が1つしかない場合は、入口のドアを開けたり、換気扇や扇風機を併用
- 乗り物などのエアコンは、「内気循環モード」ではなく「外気モード」に
密集
密集とは、人が近い距離で集まった状態を指します。人数の多い少ないは関係なく、「人と人との距離をとること」が重要とされています。
人と人との距離の取り方は、以下の通りです。
- 人と2メートル以上距離をとる
- 座席は隣の人と1つあけて座る。なるべく正面に座るのではなく、互い違いに座る
- 通勤や会社での人との接触を減らすため、積極的にテレワークを導入する
密接
密接とは、近い距離にいることを指します。密接した状態での会話や運動は避けましょう。密接は、職場や学校、公共交通機関や店頭など、様々な場面で起こりえるため、特に注意が必要です。
- 対面で会話をする際には、十分な距離を保ち、マスクを着用する
- 飲食店などで食事が終わった後に会話をする際も、マスクを着用する
飲食店の感染防止ガイドライン(具体的な感染防止策)
ここまで三密とはどういう状況か、どうやって避けなければならないか、についてお話しました。ここからは、「外食業の事業継続のためのガイドライン」を参照しながら、具体的に飲食店で行う感染防止策について、確認していきましょう。
お客様の安全について
1)入店時
- 入店時の検温およびアルコール消毒などを実施する
- 店舗入口に、発熱や咳など異常が認められる場合は店内飲食をお断りさせていただく旨を掲示する
- 店舗入口及び店内に、食事中以外はマスクの着用をお願いする旨掲示する
- 順番待ちをする場合は、各人ができるだけ1m以上の間隔をあけるように誘導する(並ばずにすむよう、整理券の発行なども検討)
2)客席へのご案内
- テーブルは、飛沫感染予防のためにパーティションで区切るか、できるだけ1m以上の間隔を空けて横並びで座れるように配置を工夫する
- カウンター席は密着しないように適度なスペースを空ける
3)テーブルサービスとカウンターサービス
- 注文を受けるときは、お客様と距離を保つ
- お客様が入れ替わる都度、テーブル・カウンターを消毒する
- 大皿は避けて、料理は個々に提供する、従業員等が取り分けるなど工夫する
4)会計処理
- 電子マネー等の非接触型決済を導入する
- 現金、クレジットカード等の受け渡しが発生する場合には、手渡しで受け取らず、コイントレイなどを使用する
5)テイクアウトサービス
- テイクアウトを実施している店舗では、お客様の店内滞留時間を短くするために、事前予約注文を受け付けるなどの仕組みを導入する
6)デリバリーサービス
- デリバリー担当の配達員と来店客、従業員が接触しないように、店内の動線を工夫する
従業員の安全衛生管理
- 食品を扱う者の健康管理と衛生管理を徹底する
- 従業員は必ず出勤前に体温を計る。発熱や風邪の症状がみられる場合は、店舗責任者にその旨を報告し、勤務の可否等の判断を仰ぐ
- 感染した従業員、濃厚接触者と判断された従業員の就業は禁止する
- 店舗ではマスクやフェイスガードを適切に着用し、頻繁かつ適切な手洗いを徹底する
店舗の衛生管理
- 店内(客席)は適切な換気設備の設置及び換気設備の点検を行い、徹底した換気を行う(窓・ドア等の定期的な開放、常時換気扇の使用など)
- 店内清掃を徹底し、店舗のドアノブ、券売機、セルフドリンクコーナー等の設備等、多数の人が触れる箇所は定期的に消毒する
- ユニフォームや衣類はこまめに洗濯する
お店に合った感染対策を!補助金の活用も検討しよう
お店によって食事の提供方法や、座席設計などは様々です。ガイドラインを参考に三密回避を意識しながら、自分のお店にあった感染対策を実施し、お客様や従業員が安心して働ける環境づくりをしましょう。
また、感染対策の経費の補助制度を設けている自治体もあります。活用できる補助金がないか、ぜひ調べてみてください。