新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、様々な補助金に特別枠が設けられ、通常よりも補助率、補助額が拡大されています。
今回ご紹介する「IT導入補助金2020」もその1つです。
IT導入補助金とは?
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入し、業務効率化や売上アップをサポートする補助金です。IT導入補助金には、「通常枠のA、B類型」と「特別枠のC類型」の3種類があります。
特別枠は、新型コロナウイルス感染症が事業に与えた影響への対策および感染症拡大防止のための具体的な対策(非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備等)に取り組む事業者を優先的に支援するためのもので、今年新たに創設されました。
通常枠(A、B類型) | 特別枠(C類型) | |
対象事業者 | ・中小企業(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象) ・小規模事業者 |
通常枠と同じ |
対象経費 | ソフトウェア費、導入関連費等 | ソフトウェア費、導入関連費、ハードウェアレンタル費 |
補助率 | 1/2以下 | C類型-1:2/3以内 C類型-2:3/4以内 |
補助額 | A型:30万~150万円未満 B型:150万~450万円 |
30万~450万円 |
対象となる事業者の詳細条件は、通常枠と特別枠それぞれご確認ください。
補助対象になるITツールは?
ここで気になるのは、どういった経費が補助の対象になるか、ですよね。
通常枠(A、B類型)と特別枠(C類型)には、それぞれ補助の対象となるITツールの要件が定められています。
通常枠(A、B類型)
通常枠の要件に関わるのが次にご紹介する分類です。
IT導入補助金の対象となるITツールは、事業者の労働生産性向上をサポートする「ソフトウェア(業務プロセス・業務環境)」「ソフトウェア(オプション)」「役務(付帯サービス)」の大きく3つに分類され、各分類の中で、さらにいくつかの小分類に分けられます。
※ここで言う業務プロセスとは、ソフトウェアが持つ機能によって生産性が向上する工程、あるいは効率化される工程のことを指します。
引用:IT導入補助金2020 通常枠(A、B類型)公募要領より
A類型の要件は以下の通りです。
- 必ず1つ以上の業務プロセスを保有するソフトウェアを申請すること
- 上記を満たしていることを要件として、オプション・役務に係る各経費も補助対象に
B類型の要件は以下の通りです。
- 必ず4つ以上の業務プロセスを保有するソフトウェアを申請すること
- 上記を満たしていることを要件として、オプション・役務に係る各経費も補助対象に
特別枠(C類型)
特別枠は、通常枠には含まれなかった「ハードウェアレンタル」が役務(付帯サービス)の中に含まれているのが特徴です。
要件は以下の通りです。
①大分類Ⅰソフトウェア(業務プロセス・業務環境)に分類させるツールが1つ以上含まれていること
②申請するITツール(大分類Ⅰ・大分類Ⅱ)には、以下の3つのいずれか1つの目的に該当するITツールが1つ以上含まれており、該当ツールの導入とハードウェアレンタルにかかる経費が補助対象経費全体の1/6以上を占めていること
- サプライチェーンの毀損への対応
新型コロナウイルスの影響により、仕入先からの調達が困難になったり、出荷先の営業が停止になったために新規顧客を開拓するなど、既存のサプライチェーンが回らなくなることへの前向きな投資 - 非対面型ビジネスモデルへの転換
非対面もしくは遠隔でのサービス提供を可能にするビジネスモデルへ転換するなどの投資 - テレワーク環境の整備
従業員がテレワーク可能な環境を整備するために必要な投資
③大分類Ⅱ・大分類Ⅲの導入にかかる経費も合わせて申請する場合は、①の要件を満たしていること
④ハードウェアレンタルを補助対象経費として申請する場合は、該当ハードウェアの活用が上記②のいずれかの目的に該当すること
特別枠の補助率
特別枠(C類型)は、さらにC類型-1とC類型-2に分かれており、それぞれ補助率が異なります。
C類型-1:要件②の 1 のみを導入 → 補助率2/3
C類型-2:要件② 2 or 3どちらか1つ以上を導入 → 補助率3/4
申請スケジュール
通常枠(A、B類型)・特別枠(C類型)共通
締め切り(6次)2020/8/31 17:00まで
締め切り(7次)2020/9/30 17:00まで
※スケジュールの最新情報は公式サイトにてご確認ください。
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申請手続き・フロー
以下の手順で進めます。
1.IT導入支援事業者の選定およびITツールの選択
まず、「IT導入支援事業者」と「導入したいITツール」を選定します。IT導入支援事業者とは、申請者とともに補助事業を実施する共同事業者(=パートナー)です。事業者はこちらのページから検索できます。
2.gBizIDプライムアカウントの取得
申請には「gBizIDプライムアカウント」が必要なので、「gBizID」ホームページよりアカウントを取得します。
3.交付申請(IT導入支援事業者との共同作成・提出)
IT導入支援事業者と交付申請の事業計画を策定したら、以下の流れで申請を行います。
- IT導入支援事業者から『申請マイページ』の招待を受け、代表者氏名等の申請者基本情報を入力
- 交付申請に必要となる情報入力・書類添付を行う
- IT導入支援事業者にて、導入するITツール情報、事業計画値を入力
- 『申請マイページ』上で入力内容の最終確認後、申請に対する宣誓を行い事務局へ提出
4.ITツールの発注・契約・支払い(補助事業の実施)
申請を完了し、事務局から「交付決定」を受けた後に、ITツールの発注・契約・支払い等を行います。
※交付決定の連絡が届く前に発注・契約・支払い等を行った場合は、補助金の交付を受けることができないため、注意が必要です。
5.事業実績報告
補助事業の完了後、実際にITツールの発注・契約、納品、支払い等を行ったことが分かる証明書を提出します。
6.補助金交付手続き
事業実績報告が完了し、補助金額が確定すると、『申請マイページ』で補助額を確認できるようになります。その内容を確認した後に補助金が交付されます。
7.事業実施効果報告
事業実施効果報告は、定められた期限内に補助事業者が『申請マイページ』より必要な情報を入力し、IT導入支援事業者が『IT事業者ポータル』から代理提出します。
より詳細な申請手順や必要書類、審査内容、については必ず公式サイトをご確認の上、お手続きください。
※掲載情報は2020/8/17時点
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