2018年の総務省の「通信利用動向調査」によると、テレワークを導入している企業は19.1%にのぼり、5社に1社が導入済みという結果が出ています。そして最近では、新型コロナウイルスの影響により、テレワークを導入する企業が一気に増加しました。
今回は、テレワークの導入を検討している方向けに、テレワーク導入のメリット・デメリット、導入に向けて必要な準備や活用できる助成金制度をご紹介します。
テレワークとは?リモートワークとの違いは?
テレワークとは、「テレ(tele) = 離れた所」と「ワーク(work) = 働く」をあわせた造語で、情報通信技術(ICT)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を意味します。
テレワークは働く場所によって、在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィスの3つに分類されます。
- 在宅勤務:自宅で業務を行うこと
- モバイルワーク:在宅勤務のように働く場所を自宅に限定せずに、業務を行うこと
- サテライトオフィス:勤務先の本社・本部から離れた場所にあるオフィスで業務を行うこと
また、リモートワークという表現もよく使われますが、テレワークと同じ意味で使われます。
テレワーク導入のメリット
社員の生産性が向上する
テレワークを導入すると、通勤による社員の体力的・精神的負担を大幅に軽減することができます。通勤ラッシュだけでなく、自然災害や交通機関の乱れなどの影響も受けないため、業務にも影響が出にくくなります。
また、自分の働きやすい環境やスタイルで働くことができるため、社員のモチベーションが上がり、生産性アップにつながりやすくなります。
優秀な人材の確保や定着につながる
柔軟な働き方ができる企業は、雇用される側の立場から見て、とても魅力的です。通勤に時間を取られないため、そのぶん育児や介護に時間をあてることができます。今までそれらを理由に離職せざるを得なかった人も、長く仕事を継続できるようになります。
テレワークは、優秀な人材の定着や確保においても、メリットがあるのです。
コストの削減
社員が出社する機会が減れば、交通費も削減できます。また、オフィス自体を縮小したり、地方へ移転することでコストを削減する動きも出てきています。
テレワーク導入のデメリット
テレワークを実施できる環境の準備
テレワークを実現するためには、社員がテレワークできる環境を準備する必要があります。例えば、PCやスマホなどの業務用端末の支給、自宅にインターネット環境のない社員に対するフォロー、Web会議やオンラインチャットなどのツールの準備、セキュリティ対策や社員向けのセキュリティ教育などが必要になります。
勤怠管理
働く場所が自由になり、今までオフィスで行っていた勤怠管理や業務進捗状況の把握にも工夫が必要になります。勤怠に関するルールや、場合によっては、ツールなどの導入が必要になるでしょう。自社にあったルールや方法を検討しましょう。
テレワーク導入で準備するもの
1.IT機器や設備
テレワークには、一般的に以下が必要になります。
- PCやスマホなどの機器
- インターネット環境
必ずしもPCやスマホなどの機器をすべて会社で用意する必要はありません。従業員が自分のPCやスマホを持っている場合は、それらを使ってもらう、というのも1つの手です。
ただ、セキュリティ面を考慮して、会社から機器を配布したい、ということであれば、従業員分を用意する必要があります。
また、自宅のインターネット環境の有無も従業員にヒアリングしましょう。インターネット環境がない場合は、会社でモバイルルーターを支給したり、会社支給のスマホでテザリングしてもらうなどの対応が必要です。
2.Web会議やチャットなどのオンラインビジネスツール
また、自社で使うオンラインビジネスサービスも選定しましょう。コミュニケーションのとりやすいチャットツールや、Web会議システムの導入も行っておくと良いでしょう。今まで紙で行っていた業務もオンライン化を検討しましょう。
▼参考記事▼
テレワークで使えるWeb会議システム4選
テレワークで使うおすすめビジネスチャット4選
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3.セキュリティ対策
ネットワークの安全性の確保のために、多くの会社でVPN接続が利用されています。VPN通信を利用することによって、特定のユーザー・PCのみ会社のデータにアクセス可能になります。
また、ネットワーク以外のデータ管理体制も重要です。意図せずに情報漏洩をさせないためのルール作りも有効です。
- オフィス以外での資料の印刷は許可しない
- PCから離れたとき、すぐにスクリーンセーバーが立ち上がるよう設定する
- PCの画面を他人に覗かれないようにフィルターを支給する
総務省では、テレワークセキュリティガイドラインを策定しており、情報セキュリティ対策に関する資料も提供しています。
4.就業規則の見直し
テレワークにも労働基準法をはじめとする労働法が適用されます。そのため、会社の就業規則でテレワーク勤務に関する規定が必要になります。
例えば、以下のような規定です。
- 人事異動として在宅勤務を命じることに関する規定
- 在宅勤務用の労働時間を設けるのであれば、その労働時間に関する規定
- 通信料などを特別に支払うのであれれば、その支払いに関する規定
テレワーク勤務に関する規定の追加や変更を行ったら、従業員とその内容を書面で確認しましょう。
5.勤怠に関するルールづくり
テレワークをする従業員の労働時間が算定できる場合は、原則として通常の労働時間制(1日8時間、週40時間)が適用されます。また、変形労働時間制やフレックスタイム制、裁量労働制も活用することができます。
まずは、毎日の出勤・退勤の管理方法を決めましょう。通常使っている勤怠管理以外に、メール報告やPCのログイン状況などで確認するなど、管理しやすい方法を選びましょう。
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テレワークを始める時に使える補助金
今回ご紹介した通り、テレワークを始めるにあたって、PCの支給や通信環境の整備など、様々な経費がかかります。そこで利用したいのが、公的制度です。政府は、テレワーク導入を促進するための助成金や支援制度を設けています。
助成・補助金制度 | 概要 |
IT導入補助金 | 会社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費(ソフトウエア費、導入関連費等)の一部を補助。中小企業・小規模事業者等向け。 |
国による制度以外にも、東京都など各自治体ごとの補助もあります。
日本テレワーク協会に掲載されている「テレワークに関する助成、補助」で、現在行われている公的制度が確認できます。
積極的にテレワークを導入しよう
会社のオフィスに出社せず、業務を自宅やレンタルオフィスなどで行うテレワーク。新型コロナウイルスの影響により、テレワークという働き方が日本でも一気に広がりました。
一方で、テレワークを始めるためには、今回ご紹介したような様々な準備が必要です。補助金等を上手に活用しつつ、しっかりと準備を行い、積極的にテレワークを導入していきましょう。
※掲載情報は2020/12/1時点
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