捨て猫や身寄りのない子猫を見つけたら、一体どのように行動するべきなのでしょうか? 猫の命を救うためには、さまざまな注意が必要です。この記事では、子猫発見時に取るべき対応や保護の方法、自宅では飼育できない場合の対処方法についてご紹介します。

子猫を見つけた時にするべきことは?

子猫を見つけた場合、特にそれが生まれて間もない子猫であった場合には、冷静かつ迅速な判断が必要です。慌てることなく、以下の行動を心がけましょう。

①少し離れて周囲を確認

明らかに捨てられていると分かる場合には、最寄りの警察署へ連絡し、指示に従ってください。動物遺棄は犯罪に当たるため、警察による聴き取りや調査が行われます。

しかし判断がつかないのであれば、まずは少し離れて周囲をよく確認するようにしてください。捨て猫ではなく、近くに親猫や飼い主がいる可能性があります。

もしも母猫が子猫を連れて移動している途中だった場合には、うかつに触ると人間の匂いが付き、母猫が警戒して子猫を放置してしまうこともあるので注意が必要です。いきなり触ったりせずに、周辺をよく観察するようにしましょう。

②体を温めつつ保護

周囲に親猫や飼い主の姿が見当たらない場合には、体温確保が最優先です。タオルなどで保温しながら、保護してあげてください。

「もしかしたら母猫が戻ってくるのでは?」と、判断に迷ってしまうことがあるかもしれません。しかし3~4時間のペースでミルクを必要とする子猫にとって、放置された状態がそれより長く続くのは非常に危険です。判断が難しいところですが、いつ母猫が戻るのか分からない場合には、早めに保護してあげた方が生存の可能性が高まると言えるでしょう。

③動物病院へ連れて行く

保護した後は、すぐに動物病院へ連れて行くのがベストです。衰弱している場合はもちろんですが、一見元気そうに見えても感染症を患っている場合や、ノミやダニなどが寄生している恐れがあります。そのため、病院へ連れて行く前にいったん家に連れ帰る場合には、既に飼っている猫やペットからは必ず隔離し、自らも手洗いや消毒を怠らないようにしてください。

動物病院では健康状態のほかにも性別や年齢の確認、ワクチンの接種や寄生虫駆除、また今後の世話に関する相談などが行えます。費用の相場は5,000円〜15,000円程度が目安と言われていますが、実際にどこまで費用をかけられるかは、獣医師と相談して対応を決めるといいでしょう。

各自治体の保健所や動物保護団体に相談しよう

子猫の安全が確保できたら、地域の保健所や警察署、動物保護団体に連絡をしてみてください。

保健所というと殺処分を心配される方もいるかもしれませんが、さまざまな相談を行うことができるので、まず一度は連絡することをおすすめします。

探し主がいないか確認

まずは猫が本当に野良猫か、飼い主が探していないかを確認する必要があります。自治体へ連絡することで、既に迷子届が出ていて、飼い主が見つかるケースも多々あります。

飼い猫であれば、飼い主の情報を登録したマイクロチップが装着されている場合もあります。チップの有無については、動物病院でも調べることが可能です。チップが付いている場合には、データを読み取ることですぐに飼い主を特定、連絡することができるようになっています。

そのほか、近隣に貼られた迷い猫のポスターやSNS、インターネット掲示板なども有効な情報源です。必死で探している飼い主さんのためにも、何よりも保護した猫のためにも、注意深く情報を確認してあげてください。

里親探しのサポート

保護した猫の飼い主になってくれる里親を探すには、身近な知り合いやご近所さんに声をかける、里親募集サイトやSNSで希望者を見つける、といった方法が考えられます。また、各自治体でも里親探しのサポートを行っています。

特に保護団体では、里親になりたい人と保護猫とを結ぶための「譲渡会」などを開催していることもあります。里親としての条件や適性を見極めた上で引き取ってもらえるので、積極的に参加してみるといいでしょう。

飼育や去勢・不妊手術に関するサポート

場合によっては、保護した猫を自分で引き取るケースもあるかと思います。保健所や保護団体では飼育についての相談やサポートも行ってくれます。

去勢や不妊手術に対する助成金などを用意している自治体もありますので、各自治体のWebサイトなどで確認し、ぜひ活用してみてください。

保護する上での注意点とは?

保護した猫を自分で引き取ることになった場合はもちろんですが、たとえ一時的であったとしても猫を保護した場合には、飼育に必要な環境を整えなければなりません。ここではその際の注意点について説明します。

①最適な環境作り

自宅に連れてきたら、まずは段ボール箱やキャリーケースに柔らかい毛布やタオルを敷いて保護してあげましょう。その際、箱の上にもタオルなどをかけ、薄暗くしてあげるのがポイントです。猫にとって慣れない環境は恐怖の対象となってしまいますが、遮蔽物で薄暗い環境を作ることで落ち着く場合があります。

また、子猫は体温調節が不得意なため、夏場でも保温が必要です。最適な環境温度は生後1~2週間であれば30~34℃、それ以降は24~27℃前後を保てるようにしてください。冬場であれば、湯たんぽやペットボトルなどにお湯を入れてタオルなどでくるみ、やけどしないように温めてあげましょう。猫が暑いと感じた時には、自分でちょうど良い温度の場所に逃げられるような工夫も大切です。

②お風呂はNG

なお、保護した猫が汚れていたとしても、すぐにお風呂やシャンプーをするのはNGです。野良猫にとってはストレスになってしまう場合が多く、体を濡らすことで体力も奪われてしまうためです。

ただ、あまりにも汚れがひどい場合は、子猫の体力状況などをみて、一度獣医さんに相談してみましょう。

③食事の注意点

栄養補給のための食事と、新鮮な飲み水の準備も欠かせません。猫は年齢によって適した食事が異なるため、注意が必要です。猫用のミルクにも年齢に応じた種類がありますが、生後2ヵ月未満であれば、子猫用のミルクを与えましょう。ドラッグストアやホームセンターなどで比較的、手に入りやすいです。

特に生後1ヵ月未満、体重の目安としては400g未満の子猫の場合、固形フードではなくミルクが必要です。お皿を使って一度にたくさんのミルクを飲むことはできない場合には、スポイトやシリンジなどを使い、2〜3時間おきに様子を見ながら少量ずつ与えてください。その際、仰向けだとミルクが気管に入ってしまう恐れがあるので、必ず腹ばいの状態であげるように気をつけましょう。

生後2ヶ月以上であれば固形フードを与えても大丈夫です。なお、年齢に関わらず、人間が飲む牛乳は猫には消化できません。下痢の原因となってしまうので与えないでください。

④トイレのケア

保護したばかりの猫に対しては、トイレのケアも重要です。生まれたばかりの子猫は自力で排泄ができず、母猫がお尻をなめて排泄を促します。そのため、母猫の代わりに人間がサポートする必要があります。

ミルクを与える前後のタイミングで、ぬるま湯で湿らせたティッシュやガーゼなどを使い、肛門や陰部の辺りを優しくポンポンと叩いて刺激してあげましょう。なかなか排泄しないからといって擦りすぎると皮膚を痛めてしまうので、注意が必要です。もしも1週間以上ウンチが出ない場合は、獣医師に相談するようにしてください。

自力で排泄ができるようになった猫には、トイレのしつけが必要となります。猫が自力で入れる高さの小さな箱に、猫砂やペットシートを敷いてトイレを作ってあげましょう。初めのうちは、寝起きや食事の後、または落ち着きのないそぶりを見せた時などに、箱の中まで誘導して場所を覚えさせてください。猫砂やペットシートは汚れた部分のみ交換し、トイレに排泄物の臭いが残るようにすると、トイレの場所を覚えやすくなります。

迅速かつ慎重な行動を!

このように、捨て猫を見つけた場合の対応には、さまざまな注意が必要となります。保護には大きな責任と労力や費用も伴いますが、適切な対応を取ることで猫の命を救うことができます。我々の行動一つ一つが猫の命に関わってくることを忘れず、くれぐれも迅速かつ慎重に行動するよう心がけましょう!