確定申告で青色申告を選ぶと、節税や赤字対策といったメリットを得ることができます。ただし、青色申告を希望する場合に必須となるのが「青色申告承認申請書」の提出。この青色申告承認申請書の書き方や提出方法、注意点について解説します。

青色申告承認申請書とは

個人事業主や一定の売上を超える副業をしている人は、確定申告を行わなければなりません。確定申告で売上を申請し、それに応じた所得税を追加で納めたり、所得税を払い過ぎていたら還付してもらえます。

確定申告の種類は、「白色申告」と「青色申告」。2つの違いは、控除額と帳簿付けの方法です。

白色申告は、基礎控除48万円の簡易簿記のみです。
※令和2年以降で個人の合計所得金額が2,400万円以下の場合

青色申告は、基礎控除に加えて10万円控除の簡易簿記、もしくは65万円控除の複式簿記から選べます。複式簿記の方が、会計の処理は複雑になります。

青色申告を選ぶと、「65万円の控除を受けられる」「赤字を3年間繰り越せる」というメリットがあります。赤字の繰り越しは、たとえば「1年目に300万円の赤字、2年目に50万円の黒字、3年目に100万円の黒字、4年目に150万円の黒字」となった場合に、1年目の赤字分を年度を越えて相殺できるというものです。つまり、通常なら課税されるところを、赤字と相殺することで、節税できるのです。

このようなメリットのある青色申告ですが、希望する場合には「青色申告承認申請書」を、それぞれ定められた期限までに提出しなければなりません。提出期限については、ケースごとに後ほど解説します。

青色申告承認申請書の書き方

青色申告承認申請書は、国税庁のホームページからダウンロードできます。

各項目の記入方法について解説します。

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管轄する税務署の名前と提出日を記入しましょう。

管轄の税務署が分からない場合は、国税庁のホームページから郵便番号・住所・地図などで検索できます。

開業予定または開業済の事業、事業者の情報を記入します。

次から該当するものにチェックをつけましょう。

  • 住所地:自宅を事務所として使う場合
  • 居所地:事業の本拠地を海外に置き、一時的に国内で活動する場合など
  • 事業所:自宅とは別にオフィスを持っている場合

電話番号、氏名、生年月日、職業、屋号を記入し、印鑑を押します。屋号を特に決めていなければ、空欄で構いません。

青色申告を開始する年度を記入します。開始年度は、後述する申請書の提出期限と関係しています。

複数の事務所・店舗などを運営している場合は、名称と住所を記入しましょう。
たとえば、「〇〇定食 有楽町店」「〇〇会計事務所 横浜営業所」など。事務所・店舗が一ヶ所の場合は、空欄で構いません。

個人事業主は、基本的に事業所得となります。不動産や山林などから収入を得ていなければ、「事業所得」だけにチェックを入れましょう。

過去に青色申告承認の取り消しを受けたり、取りやめたりしていなければ「無」にチェックを入れます。もしある場合は、年月日を記入しましょう。

⑦ 「青色申告承認申請書」を提出する年の1/16以降に開業する場合は、開業日を記入しましょう。

⑧ 相続などで事業継承した場合でない限り、「無」にチェックを入れます。
もしある場合は、相続開始の年月日、被相続人(元々事業を行っていた方)の名前を記入しましょう。

⑨ 65万円控除を受ける場合は「複式簿記」、10万円控除の場合は「簡易簿記」にチェックを入れてください。

⑩ 65万円控除を受ける場合は「現金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」「経費帳」「固定資産台帳」「預金出納帳」「総勘定元帳」「仕訳帳」にそれぞれチェックを入れます。

10万円控除の場合は、「現金出納帳」のみにチェックを入れます。

帳簿書類は、作成から7年間保存することになります。

⑪ 申請にあたって特別に税務署へ知らせておきたいことがある場合は、記入しましょう。特別に無ければ、空欄のままで構いません。

青色申告承認申請書の提出方法とは

管轄の税務署に「青色申告承認申請書」を提出します。

書類の提出期限とは

「新規開業」「白色申告から青色申告への切り替え」「相続による事業継承」で提出期限は異なります。

<新規開業の場合>

  • 開業日がその年の1/1~1/15なら、同年の3/15までに提出
  • 開業日がその年の1/16以降なら、開業日から2ヶ月以内に提出

期限内に提出しなければ、青色申告は翌年から適用となります。

<青色申告への切り替えの場合>

  • 青色申告を希望する年の3/15までに提出

提出期限を過ぎると、翌年からの適用となります。

<相続による事業継承の場合>

青色申告をしていた事業主が亡くなって事業を継承した場合は、相続の開始を知った日(事業主が亡くなった日)によって決まります。

  • 相続開始が1/1~8/31なら、死亡日から4ヶ月以内に提出
  • 相続開始が9/1~10/31なら、同年の12/31までに提出
  • 相続開始が11/1~12/31なら、翌年の2/15までに提出

提出の注意点

各税務署の窓口は、基本的に平日午前8時30分~午後5時で受け付けています。郵送でも提出でき、申請に手数料はかかりません。

郵送で提出する場合の注意点として、申請書の控えを手元に残しておきたい場合は、その分のコピーと返信用封筒を同封しておきましょう。フリーランス向けのエージェントに所属する場合に、「青色申告承認申請書」の控えの提示を求められることもあります。

新規開業の場合は、「開業届」の提出も必要です。青色申告承認申請書に記入する開業日は、開業届で記載する日付となります。開業届の提出期限は、1ヶ月以内。青色申告承認申請書と同時に提出しておくことが望ましいでしょう。

▼参考記事▼
【開業届の基本】提出は必須?提出のタイミングや申請方法を解説

また、青色申告は、節税や赤字対策になる一方で「複式簿記」で帳簿付けするため、会計処理が複雑になります。会計の知識を持っていないと、自分で帳簿付けをするには手間がかかるため、税理士などの専門家に依頼したり、会計ソフトを使ったりしてもいいでしょう。

▼参考記事▼
会計ソフト導入のメリットや選び方|おすすめ会計ソフト5選
飲食店に税理士は必要?税理士のサービス内容や費用・選び方

期限内に青色申告承認申請書の提出を

期限内に書類を提出しなければ、青色申告を始める年度が1年遅れてしまう可能性もあります。納税額や経営にも影響するため、青色申告を希望する場合は早めの提出を心がけましょう。