女性のフリーランスが気になる産休・育休事情。

「会社員とどう違うの?」「国や自治体から補助を受けられるの?」と、疑問や不安を持っている方も、いらっしゃるかもしれません。

本記事では、会社員との違いや利用できる助成金、手当て、産後復帰のポイントなどについて解説します。

会社員とフリーランスの産休・育休事情の違い

会社員(一定の条件を満たすパート社員・派遣社員・契約社員を含む)は、育児・介護休業法に基づき、産休・育休を取ることができます。

厚生労働省によると、基本的に産前休業は予定日の6週間前(双子以上で14週間前)から取得でき、産後休業は出産翌日から8週間(本人が希望し医師が認めた場合6週間)就業できません。育児休業は、諸条件ありますが、子どもが1歳になるまで休業することができます。

しかし、フリーランスはその対象外となるため、休むかどうかは基本的に自分で決めることになります。2017年に行われたフリーランスや女性経営者へのアンケートでは、44.8%が産後1ヶ月で仕事復帰していることも明らかになっています。

「経済的不安から」「仕事を継続的に受けたいから」など、復帰の理由は個人によって違いますが、フリーランスは会社員と比べ、国からの保障が手薄な状況だと言えるかもしれません。

フリーランスが利用できる免除・助成金・手当て

国による産休・育休の補償がないフリーランスですが、利用できる免除、助成金、手当てがあります。

ここからは、フリーランスが活用できる5つの制度について解説します。
※以下、会社員も利用できる制度もあります

国民年金保険料の免除

個人事業主やフリーランスが出産前後の一定期間、国民保険料を免除される制度です。

<対象者>
国民年金第1号被保険者(自営業者を含む)で、出産日が2019年2月1日以降の方

<免除期間>
・出産予定日または出産日が属する月の前月から4ヶ月間
・多胎妊娠(双子以上)の場合は、出産予定日または出産日にあたる月の3ヶ月前から6ヶ月間

出産育児一時金

社会保険加入者(国民健康保険を含む)全員に、分娩費用の補助として「出産育児一時金」を支給されます。

<対象者>
・被保険者または家族(被扶養者)が、妊娠4ヶ月(85日)以上で出産をしたこと
・早産、死産、流産、人工妊娠中絶(経済的理由によるものも含む)も支給対象として含む

<支給額>
・一児につき420,000円
・「産科医療補償制度」に加入していない医療機関等での出産は一児につき404,00円

<支給方法>
・直接支払制度・受取代理制度を選択できる
・直接支払制度とは、支給母体から直接医療機関に支払うもの
・受取代理制度とは、直接支払制度を導入していない小規模の医療機関で、出産費用と出産一時金の差額だけを医療機関または被保険者等に支払うもの

妊婦健診費用助成

妊婦健診費用助成は、定期的に病院に通う妊婦の出費を補うことを目的とした制度です。自治体によって、手続きや助成額は異なりますが、母子手帳と同時に補助券を受け取るケースが多いです。

子どもの医療費助成

子どもにかかる医療費を助成する制度です。自治体によって手続きや助成額は異なりますが、基本的に未就学時と義務教育就学時(中学校3年生修了まで)に分けてサポートします。国の指定により、保険診療の自己負担額3割を無料にするものとなっています。

産後復帰をスムーズにするポイント

会社員と比較してしまうと、産前・産後のサポートが少ないとも言えるフリーランス。ここからは、できるだけスムーズな産後復帰を希望する方のためのポイントを解説します。

取引先への連絡や周りにフォローをお願いする

当然ですが、産前・産後には、仕事に集中することが難しくなるでしょう。会社員のようにサポートしてくれる社内メンバーがいるわけではないため、取引先に迷惑をかけてしまったり、収入が減ってしまう可能性も。

そこで、あらかじめ取引先に事情を伝え、仕事をフォローしてくれる周りの人を見つけておきましょう。大切なのは、突然「できません」と伝えるのではなく、事前に取引先とスケジュールの共有をしておくこと。突然仕事を受けられなくなると、取引先にも迷惑をかけ、場合によっては復帰後に依頼されなくなる可能性もあります。

妊娠後、体調が安定してきた時点で、無理のない範囲で産前・産後のスケジュールを立て、取引先へ伝えましょう。

代行サービスを利用する

産前・産後できるだけ仕事をしたい方は、業務のすべてを自分で抱え込むのではなく、代行サービスを利用してみましょう。たとえば、自分しかできない作業以外の伝票整理や請求書の発行などの事務作業を外部に委託することもできます。

また、仕事だけでなく家庭内のことも、代行サービスが利用できます。現在はさまざまな家事の代行サービスがありますので、買い物、料理、掃除など、自分では手が回らない家事は、代行サービスを利用するのもいいでしょう。たとえば「シルバー人材センター」では、自治体から人材を派遣してもらうことができ、費用も手頃です。

子どもの預け先を見つけておく

産後、子どもの面倒を見ながら仕事をするという方法もありますが、育児をしながら集中して仕事をするのは難しいもの。仕事をしている間、子どもを預けられる場所を見つけておきましょう。

家族・親族や保育園はもちろん、ベビーシッターや自治体のファミリーサポートなどの手段がありますので、地域の情報を事前に調べておくのがいいでしょう。家族・親族の協力を得られると、仕事と家庭の両立はしやすくなります。サポートを受けやすいように、家族の近くに引っ越すというケースもあります。子どもの面倒を見てもらうだけでなく、家事や買い物をお願いすることもできます。

保育園は、自治体によっては待機児童が発生している可能性もあるため、できるだけ早い段階から情報収集を始めましょう。認可保育園への申し込みは、管轄の自治体が窓口となります。ベビーシッターや認可外保育園は、割高なコストとなる場合もあります。保育時間や保育方針はもちろんのこと、費用についても調べておきましょう。

早めに計画を立てることが大切

出産が分かった段階で「産前・産後に仕事をどの程度受けるか」「産後復帰のタイミングをいつにするか」「産後もフリーランスを続けるか」など、パートナーと相談して決めておくことが、産前・産後を安心して過ごすことにつながると言えます。

方向性が固まれば、具体的な計画に落とし込み、取引先への連絡や家族・親族への協力依頼などの行動に移しましょう。