美容室の開業にはまとまった資金が必要です。そのため日頃から自己資金の貯蓄を行い、美容室開業を目指している方が多いでしょう。

しかし美容室開業にかかる費用は高額です。自己資金が十分に貯まるまで待っていては、いつまでたっても独立できない状況にもなりかねません。

そこで重要となるのが、融資や補助金、助成金などの利用です。ここでは美容室開業の際に利用できる資金調達方法を解説します。

美容室開業にかかるお金|初期費用の内訳

美容室開業にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

賃貸物件契約にかかる費用

自宅の一部を改装する場合、物件を借りるための費用は発生しません。しかしそうでない場合は、賃貸契約にかかる費用が必要です。

店舗や事務所物件の契約締結時にかかる初期費用は、一般的な住宅を借りる場合の費用よりも高額になる場合があります。

具体的な費用は物件によって異なりますが、一般的な例として、前払い家賃1ヵ月、敷金0~2ヵ月、保証金3~6ヵ月、礼金0~2ヵ月程度が必要。おおよそ、家賃10~12ヵ月分を用意しておくと安心でしょう。

店舗の賃料は立地や設備によって大きく異なります。自分が美容室を構えたいと考えている立地・設備の平均賃料を調べて、具体的な必要額の目安をつけておきましょう。

物件改装にかかる費用

店舗物件はそのままで開業できるわけではありません。内外装工事を行う必要があります。

外装工事では、お店の看板をつけたり、美容室のコンセプトに合った外観へのリフォームを行ったりします。店舗の外装は美容室の第一印象を左右するものですから、こだわりを持ってデザインする必要があるでしょう。

内装工事では、美容室の床や壁紙、給排水設備やガス設備、エアコン設置などの工事を行います。内装工事を行うときは、スタッフと来店者の動線や店舗デザインなども意識して、どこに何を設置するのかを考えましょう。

内外装工事にかかる費用はオーナーのこだわりや物件の状態によって異なりますが、1坪あたり30~50万円程度を目安にしましょう。

設備にかかる費用

美容室にはさまざまな設備が必要です。居抜き物件を借りる場合は設備投資費用が大幅に削減できますが、そうでない場合はまとまった費用が必要です。

設備にかかる費用は、シャンプー台やカット台の数・グレードなどによって異なります。1~3席前後の個人で営む美容室だとしても、200~400万円程度の設備費用は必要だと考えたほうがいいでしょう。

その他起業にかかる費用

その他、オープン時の広告宣伝費や、ショップカードの作成費、文具代、オープン後収益が安定するまでの運営費や生活費など、ある程度の費用を準備する必要があります。

自己資金?融資?開業資金はどうする?

美容室開業に必要な費用は、店舗物件や設備にかかる費用によって大きく異なります。日本政策金融公庫が発表した調査によると、2019年度の開業費用の平均値は1,055万円でした。しかし、ある程度こだわりを持って開業するのであれば、1,500万円~2,000万円前後の初期費用が必要になることも珍しくありません。

これだけの費用をすべて自己資金で賄える人は、それほど多くないでしょう。そこで、多くのオーナーが融資を利用することになります。

融資を受ける場合、融資元に事業計画を提出して審査を受ける必要があるため、早めの準備が必要です。また融資を受ければ、開業後長年に渡って返済を続ける必要があることを留意する必要もあります。

参考:2019年度新規開業実態調査|日本政策金融公庫

公庫から融資を受ける方法

日本政策金融公庫では、中小企業経営者にとって有利な融資制度が多数用意されています。無担保、無利子、低金利での借り入れができるため、美容室開業前の資金調達にも最適でしょう。

とくに「新創業融資制度」は新たに事業をはじめる人向けの融資制度。美容室の新規開業時に利用しやすいです。最大3,000万円(うち運転資金1,500万円)を限度に低金利での融資が受けられます。

参考:新創業融資制度|日本政策金融公庫

美容室開業で受け取れる補助金・助成金

美容室開業時の資金調達方法でもっとも一般的なのは融資ですが、国や地方自治体では補助金や助成金も複数用意されています。補助金や助成金は基本的に返済が不要なため、開業後の負担を大幅に軽減できます。

融資とあわせて利用できる補助金や助成金がないかを確認し、積極的に活用していきましょう。

美容室を開業する際に利用できる補助金・助成金

美容室を開業するタイミングで利用できる補助金・助成金には下記のようなものがあります。条件と金額とともに見ていきましょう。

補助金・助成金の名称 補助・助成を受ける条件 金額
創業助成金 都内で創業(他一定要件あり) 300万円~100万円

(助成対象の経費の2/3以内)

小規模事業者持続化補助金 販路開拓や業務効率化に取り組む小規模事業者等 原則として上限50万円

(助成対象の経費の2/3)

IT導入補助金

(2019年度実績。2020年度未定)

ITツールの導入を行う小規模事業者、中小企業 40万円~450万円

(助成対象の経費の1/2以下)

具体的な補助金・助成金の種類は、各地域によっても異なります。店舗を構える予定の地域の商工会議所などに出向き、事業計画に応じて利用できる補助・助成制度について教えてもらいましょう。

参考:創業助成金(東京都中小企業振興公社)|融資・助成制度

令和元年度補正予算 日本商工会議所 小規模事業者持続化補助金

IT導入補助金

従業員を雇用する場合

従業員を雇用する場合は、雇用制度・評価制度・育成制度に応じた助成金が受け取れる場合があります。美容室の開業時に利用できる雇用に関する助成制度には、以下のようなものがあります。

助成金の名称 補助・助成を受ける条件 金額
特定求職者雇用開発助成金 就職困難者をハローワーク等からの紹介で継続して雇用する 30万円~240万円
トライアル雇用助成金 トライアル雇用の対象者をハローワーク等からの紹介で継続して雇用する 月額最大4万円(最長3ヵ月間)

35歳未満の対象者には最大5万円(最長3ヵ月間)

その他、継続して人を雇用する場合や、評価制度の改善、家庭との両立支援、人材育成などに対して助成金が受け取れる場合もあります。

雇用に関する助成金は、受給要件を満たすのが難しい場合もあります。社会保険労務士などに相談して受給を目指すのがおすすめです。どのような助成金が該当するのかについてもあわせて相談してみましょう。

参考:特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース) |厚生労働省

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)|厚生労働省

国や自治体からの補助を積極的に活用しよう

助成金や補助金は、これから美容室開業考えているオーナーの強い味方です。とくにこれから開業する美容室にとってIT化は必須。例えばSNSやインターネットを活用した広告戦略は新規開業の美容室の集客に大いに役立ちます。そのため「IT導入補助金」はぜひとも利用したい制度でしょう。

IT化をうまく進めるには、美容室に安定した通信環境を導入する必要があります。法人向けビッグローブ光なら、高速で高品質なネット環境が実現できるでしょう。

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