人生100年時代。子どもの教育や親の介護にかかる資金、さらには自分自身の老後の資金など……将来の生活やライフイベントを見据えて、より良い資産形成の方法を模索している人は多いのではないでしょうか。

特に、厚生年金や退職金のないフリーランスにとって、老後の生活資金をどう蓄えるかは、大きな課題の1つと言えるでしょう。

「銀行に預けてもほとんど利子がつかない」
「貯金をするのが苦手」
「お得に効率よく積み立てる方法は?」

お金を賢く貯めるなら、NISAが役立つかもしれません。今回は税制の優遇が受けられる制度、NISAについてご紹介します。

NISAって何?

NISA(ニーサ)は「Nippon Individual Savings Account」の略称であり、「日本の個人貯蓄口座」という意味です。個人貯蓄口座とは、税制の優遇がある口座で、投資で得た利益に税金がかからないシステムです。NISA口座は1人1口座だけ作ることが可能です。

本来、株式や投資信託で得られた利益には、約20%の税金がかかります。それが非課税となれば、当然、投資の利益や配当を効率よく貯蓄できます。将来を見据えて、賢く資産づくりをしたい人にとっては、心強い味方となるでしょう。ただ単に銀行に預けるだけではなく、NISAでコツコツ貯蓄していくのも、1つの方法です。

NISAは3種類

NISAには現在、「NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3タイプがあります。

NISA」は、2014年1月から開始された税金を優遇してくれる制度です。毎年120万円を上限として、税金がかからない投資枠が設定されます(最大600万円)。非課税期間は5年間です。株式や投資信託で得られた利益の税金が免除されます。

つみたてNISA」は、名前の通り長期スパンの積み立てを目的とした非課税の制度です。年間に購入できる金融商品の金額は40万円まで。最長20年間分の税金がかかりません。NISA、つみたてNISAともに購入できる対象商品は決まっていますが、つみたてNISAの方がより購入できる商品に制限があり、長期、積立に適したものに限られています。新規で投資できるのは2037年までです。

ジュニアNISA」は、2016年からはじまった未成年を対象としたNISAです。0歳〜19歳を対象に、 年間80万円の税金のかからない投資枠が設定されています。

単純に税金がかからないだけではなく、少額から投資ができるのもNISAの魅力です。ネット証券を利用すれば、100円からでも積み立てができます。フリーランスや個人事業主のように、入金タイミングに波がある人でも手軽に始められます。

NISAのメリット・デメリットは?

非課税で資産運用できるNISAですが、具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

メリット:投資で利益を出せば出すほど非課税額が増える

まずメリットとして、投資の利益が増えれば増えるほど、税金がかからない金額が増えます。

NISAでは、年間の投資額の上限は120万円と決められていますが、利益の上限はありません。つまり、年間120万円の投資の利益は、無制限に非課税となります。

たとえば、120万円分の株式を購入し、220万円に値上がりした時点で売却します。この場合、220万円から原資の120万円分を引いた100万円が利益となります。

この取引が通常の口座(NISAではない)で行われた場合、約20%の税金がかかります。利益の100万円に20%課税されて−20万円なので、80万円が収益となります。

この取引がNISA口座なら、利益の100万円がそのまま収入となります。さらに、利益の上限はありませんので、利益が100万円でも200万円でも税金はかかりません。はじめの投資額が120万円の投資枠を超えていないからです。

通常は利益に対して約20%課税されますので、利益が増えれば増えるほど課税額も増加していきます。ところがNISAなら、年間の新規投資額を超えなければ、どんなに利益を増やしても税金がかかりません。つまり、利益が多ければ多いほど、非課税額が増えてお得になるシステムです。

デメリット:損益通算ができない

NISAのデメリットとして、損益通算できないことがあります。

損益通算とは、利益と損失を相殺することです。たとえば、A社株の売買で100万円の利益が出たとします。さらに、B社株の売買で100万円の損失が出ました。この取引を損益通算すると、+100万円と−100万円なのでプラスマイナス0円になります。つまり、利益はゼロなので税金は発生しません。

NISAでは、この損益通算ができません。たとえば、NISA以外の通常の株取引で+100万円、さらにNISAで−100万円とします。NISAでの損失は損益通算ができないので、通常の株取引で得られた100万円の利益に約20%の税金がかかります。このようなケースでは税負担が増えることになります。

新NISAとは?

ここまで現行のNISAの話をしてきましたが、現行制度は2023年で終了します。そして2024年から新たな制度「新NISA(仮名)」が始まります。最後に、新NISAの制度変更についてご紹介します。

新NISA

新NISAにおいては、新規の口座開設は2024年から2028年まで(5年間)です。さらに、新NISAは制度として「2階建て」になるのがポイントです。

1階は、つみたてNISAと同様に安定的に資産形成ができる金融商品が投資対象となり、年間で20万円が投資の上限額です。2階は、現行のNISAの投資対象からハイリスク・ハイリターンな金融商品が除外されます。上限額は年間で102万円です。原則として、2階の非課税枠を利用するには、1階で積立の投資を行っている必要があります。

つみたてNISA

新NISAにおけるつみたてNISAは、新規投資が2042年(現行制度から5年間延長)まで可能になります。たとえば、2020年から2042年までなら23年間の積立が可能ですが、非課税期間は20年という制限がありますので注意しましょう。

ジュニアNISA

ジュニアNISAは2023年で廃止となります。現在保有している商品は、2024年から払い戻しが可能です。2023年までの投資分については、成人年齢に達するまでは非課税口座で保有することができます。

NISAを上手に活用しよう!

NISAは2024年から制度変更が行われるので、制度理解が少し複雑になります。フリーランスや個人事業主が、老後資金のために活用するのであれば、つみたてNISAが無難かもしれません。長期スパンで節税しつつ、資産形成に活用してみてはいかがでしょうか。

※掲載内容は2020/10/30時点