日本政府観光局の「月別・年別統計データ(訪日外国人・出国外国人)」の発表によると、日本を訪れる観光客の数は2003年の521万人から2018年の3,191万人に増えています。2018年の内訳は、アジア圏から約2,670万人、ヨーロッパ圏から約172万人、北アメリカ圏から約193万人と世界各国から訪れていることが分かります。

インバウンド需要に対応するため、飲食店に欠かせないのは英語(外国語)メニューです。今回は、英語(外国語)メニューを作る際の注意点やおすすめのメニュー作成サイトについて解説します。

英語(外国語)メニューの作り方

飲食店のメニューが外国語に対応していないと、接客のたびに英語で通訳しなければなりません。また、飲食店スタッフが英語を話せなければ、会話にも手間取ってしまいます。外国語メニューを店頭に準備しておけば、言葉を交わさずともメニューの指差しやジェスチャーで注文を受けられます。

しかし、日本語のメニューをそのまま翻訳ツールなどで直訳すると、意味の通じない表現になってしまう可能性もあります。魅力的なメニュー作成のポイントを解説します。

魅力的な英語(外国語)メニューを作るポイント

メニューで最も重要なのは料理名です。ただ、料理の説明をそのまま使った料理名では、外国人のお客さんに「これ食べてみたい!」「美味しそう!」と思ってもらえないかもしれません。料理の説明だけで、その美味しさをイメージすることは難しいでしょう。食欲をそそる料理名を考えるためのポイントをお伝えします。

料理名は、3~5単語で表す

料理名は、シンプルな表現を心がけましょう。料理の特徴すべてを料理名に盛り込むのではなく、魅力的なポイントだけを推しましょう。足りない部分は説明文で補います。たとえば、長崎皿うどんであれば「Crispy seafood noodles」、地元の野菜を使ったサラダであれば「Fresh local salad」といった具合です。あえて、「親子丼」を「Oyako-don」といった形で、日本料理名のままにしても興味を引けるでしょう。

美味しそうな形容詞で表す

日本語でも、「さくさく」「たっぷり」「トロトロ」といった単語を付け加えるだけで、食欲をそそる料理名になります。たとえば、「牛肉シチュー」と「トロトロの牛肉シチュー」では、後者の方が美味しそうに感じますよね。英語では、次のような形容詞を参考にしてみてください。

  • さくさく…Crispy
  • ザクザク…Crunchy
  • たっぷり…Filling
  • 濃厚…Rich
  • 新鮮…Fresh
  • トロトロ…Melted
  • 地元産…Local
  • 本場の…Authentic
  • 昔ながらの…Classic

写真を使う

外国人観光客にとって、日本は異国の地。もしかしたら料理名や説明だけではどんな料理かイメージしてもらえないかもしれません。そのため、料理の写真も載せておくと良いでしょう。

外国語メニューを作る際の注意点

ここでは、外国語メニューを作る際の注意点について解説します。

調理方法を分かりやすく表す

一般的な料理の調理方法は、主に7つあります。

焼く、茹でる、炒める、揚げる、煮る、和える、蒸す

こういった調理方法を分かりやすく記載しておきましょう。たとえば、揚げるは英語で「fried」、茹でるは「boiled」といった表現になります。料理名に無理に乗せなくとも、説明文で補ってもいいでしょう。

メニューの量を示す

海外旅行で食事すると「向こうのMサイズは、日本のLサイズくらい大きくて食べきれなかった」という経験のある方もいるでしょう。食事のボリューム感は、メニュー名だけでは判断しにくいもの。おおよその量を示しておきましょう。メニューに写真を載せておくと、ビジュアルで理解しやすく親切です。

前菜とメインの違いを明確にする

フレンチやイタリアンといった海外のレストランでは、前菜とメインを別々に注文するのが基本です。お店の形態によっては、メニューの前菜とメインを分けておくと注文しやすいでしょう。

ちなみに「〇〇定食」という表現は、外国人から理解されにくい場合があります。何がセットになっているのか、分かりやすく表記しましょう。

宗教の食事タブーに考慮する

宗教を重んじる外国人は、宗派によって食べてはならない、避けるべき食材があります。国土交通省の「多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応」では下記の通り、食事タブーを講評しています。

イスラム教 豚、アルコール、血液、宗教上の適切な処理が施されていない肉、うな ぎ、イカ、タコ、貝類、漬け物などの発酵食品
仏教(一部の僧侶と厳格な信者) 肉全般、牛肉、五葷(ごくん:ニンニク、ニラ、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキ)
キリスト教(一部の分派) 肉全般、アルコール類、コーヒー、紅茶、お茶、タバコ
ヒンドゥー教 肉全般、牛、豚、魚介類全般、卵、生もの、五葷(ごくん:ニンニク、 ニラ、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキ)
ベジタリアン 肉全般、魚介類全般、卵、一部ではあるが乳製品、一部ではあるが根 菜・球根類などの地中の野菜類、一部ではあるが五葷(ごくん:ニンニ ク、ニラ、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキ)

該当する食材を含むなら、メニューに明記しておきましょう。
また、「バター」や「ラード」といった油類、「ブイヨン」「ゼラチン」「肉エキス」には鶏・牛・豚・魚の肉や骨が使われることも多く、調理時に注意が必要がです。
上記以外の宗教でのタブーにあたる食材についても、国土交通省の資料で詳細に明記されています。

【参考URL】「多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応」(pdfファイルが開きます)

お店の地域によってなど、特定の宗教のお客さんが多いお店は注意する必要があるでしょう。

食物アレルギー情報を記載する

食物アレルギーは、じんましんや腹痛、呼吸困難、アナフィラキシーといった症状を引き起こしかねません。食物アレルギーを防ぐため、消費者庁のアレルギー表示に関する情報で表示を義務付けられている食材は次の通りです。

<法令上、表示を義務付けられている食材>

えび、かに、卵、乳、小麦、そば、落花生 

<できるだけ表示を推奨されている食材> アーモンド、あわび、いか、 いくら、オレンジ、カシュー ナッツ、キウイフルーツ、 牛肉、くるみ、ごま、さけ、 さば、大豆、鶏肉、バナナ、 豚肉、まつたけ、もも、や まいも、りんご、ゼラチン

外国語メニューを無料で作成!おすすめサイト4選

ここまで、外国語メニューの作り方をお伝えしてきました。

ですが、外国語が苦手なために自分たちで作れない、という方も多いでしょう。そこで、おすすめのメニュー作成の支援サイトを5つご紹介します。

  • EAT東京 多言語メニュー作成支援ウェブサイト

    東京都の運営するサイトです。13言語対応、メニューデザイン120種類以上を掲載しています。「食品ピクトグラム」や「コミュニケーションート」、「調味料シート」といった飲食店で使えるツールも提供しています。さらに、作成したメニューとお店の情報を、東京都が運営する飲食店検索サイト(9言語対応)に無料掲載してくれます。

  • FUKUOKA GOURMET NAVI

    福岡市の運営するサイトです。対応言語は、4言語。サイトのガイドに沿って、選んでいくだけでメニューを簡単に作れます。メニューをプリントアウトして、写真や料金を記載しましょう。

  • ダイニング高知ジャパン

    高知県の運営するサイトです。5言語対応、メニューデザイン30種類を掲載しています。「食品ピクトグラム」や「指さし会話シート」、「外国人おもてなしポイント」といったツールだけでなく、5言語対応の飲食店検索サイトに無料で掲載してもらえます。

  • 石川県の美味を楽しむ

    4言語に対応したメニューを作れます。こちらも、飲食店検索サイトに掲載できます。

英語に対応したメニューを作ろう!

日本政府は、訪日観光客数の目標を2020年で4,000万人、2030年で6,000万人と掲げています。増加し続けるインバウンド需要に飲食店が対応するためも、今回ご紹介したポイントを押さえて、英語のメニューを作ってみてはいかがでしょうか? おすすめのサイトを利用すれば、飲食店検索サイトへの掲載もできてお店のPRにもつながるでしょう!

※本記事内の情報は2020年2月13日現在のものです。