新型コロナウイルスの影響で、テイクアウトやデリバリーを始める飲食店が一気に増えました。これにより、お店のスタッフは今まで以上に電話対応を求められるようになったのではないでしょうか。

電話対応は、お店の看板と同じく重要です。電話の受け答え一つひとつが、お店のイメージを左右するからです。今回は、お店で今日から使える電話対応のマナーやケース別の受け方、便利なフレーズについて解説します。電話対応マニュアル作成の参考にもどうぞ!

電話対応の基本的なマナー

電話対応の基本的なマナーを解説します。

電話を受ける場合

まずは、電話を受ける場合のマナーです。

3コール以内にとる

かかってきた電話は、なるべく早めに取りましょう。3コール以内が目安です。もし、3コール以上待たせた場合には、「大変お待たせいたしました。」と一言お詫びの言葉を添えましょう。

明るい声でゆっくり話す

電話は相手の表情や態度が見えないため、相手の声量や声のトーン、話すスピードで印象を判断することになります。電話で話すときは、普段の会話より少し明るめのトーンで、ハキハキゆっくりと話しましょう。

電話対応に慣れないスタッフは早口になってしまい、相手から聞き取りにくくなりがち。話すのが苦手な場合は、実際の電話対応をイメージして、ロールプレイングを行うことも効果的でしょう。

正しい呼び方に注意

電話を受けた際には、「〇〇(お店の正式名称)の△△(自分の苗字)です。」と名乗ってから会話を始めましょう。それ以降は、毎回お店の名前を伝えるのではなく、「当店」と言います。

また、「お客さん」ではなく「お客様」と敬称で相手のことを呼び、相手の名前を確認してからは、「〇〇様」という呼び方に変えましょう。

メモを取って復唱する

お客様から聞いた大切な情報は、メモを取っておきましょう。特に名前や連絡先、来店時間、人数、アレルギーなどの情報は重要です。メモを取った後に、必ず復唱し、内容に間違いがないか確認します。電話機の近くにメモとボールペンを置いておくと、いつでもメモを取りやすいです。

電話の最後は丁寧に

電話を切る時にミスをしてしまうと、それまでの印象が台無しです。電話の御礼を伝え、お客様が先に電話を切ったことを確認してから、こちらの受話器を置きましょう。もし、お客様がなかなか切られない場合には、しばらく待ってから「失礼します」と一言添えて、電話を切りましょう。

電話をかける場合

次に、電話をかける場合のマナーです。

時間帯に配慮する

相手の都合に配慮した時間帯に電話をかけましょう。仕事で忙しい日中、早朝や深夜は迷惑になるため、できるだけ避けましょう。お客様に電話をかける時間は、仕事終わりの19時~21時ころがベスト。お店の忙しい時間帯になりますが、スタッフ同士で連携して電話連絡を済ませましょう。

丁寧に名乗る

まず、最初に名乗りましょう。お店と自分の名前を名乗り、「今お時間よろしいでしょうか?」と相手の都合を確認してから、話します。

要件を簡潔に伝える

ダラダラと話すとお客様の時間を奪ってしまいます。事前に話すことを整理し、簡潔に要件を伝えましょう。

メッセージを残す

もし電話をかけてもつながらず、留守番に切り替わった場合には、メッセージを残しておきましょう。「〇〇(お店)の□□(名前)でございます。~~の件でご連絡しました。また〇〇(日にち・時間帯など)にお電話差し上げます。」といった形で、メッセージを吹き込みます。急ぎの場合には、折り返しをお願いしてもいいでしょう。

ケーススタディ/電話の受け方

お店にかかってくる電話は、おおよそケースが決まっています。お客様からの電話で代表的なケースを紹介しますので、電話対応の参考にしてみてください。

予約

最も多いのが、予約の電話でしょう。お店で決まっている予約方法に合わせて、必要な情報を伺いましょう。パソコンで予約情報を登録する場合は、入力しながら電話を受けると記入漏れの心配もありません。トラブルを防ぐため、「〇〇日前から△%キャンセル料が発生します」といったキャンセルポリシーについても、予約時に伝えておきましょう。

お問い合わせ

営業時間やメニュー、アレルギー、バリアフリー、誕生日・結婚記念日といったサプライズの相談など、さまざまなお問い合わせが来ます。それぞれの対応がスタッフごとにバラバラだとトラブルになりかねません。お店全体で対応を統一しておくことがおすすめです。

アクセス

お店の場所が分からず、道に迷うお客様もいるでしょう。お店に電話をして道順を確かめる場合もあるので、お店までのアクセスの仕方を説明できるよう、事前に準備しておきましょう。最寄り駅からの道順だけでなく、目印となる建物なども把握しておくと、臨機応変な対応が可能です。スタッフに、通勤時に周辺の道や建物をチェックさせておくと、本人も説明しやすくなります。

また、電話機の近くに地図を置いておくと便利です。お客様から求められない限り、住所だけを伝えて、お客様自身に地図アプリなどで調べてもらうことは、避けたほうがよいでしょう。悪い印象を与えかねません。

クレーム

「クレームの電話は取りたくない」という気持ちもあるかもしれませんが、誠意ある対応が相手の心を打ち、お店のファンになってくれる可能性もあります。

クレーム対応は、まずお客様の話をしっかりと聞くことが大切です。多くの場合、お客様はお店のサービスに何かしらの不快や怒りを感じて、クレームの電話をかけてきています。まずは、丁寧に謝罪したうえで、お客様の話を聞きましょう。「お客様が何に怒りを感じているのか?」を正しく理解すれば、どういった対処をすべきか明確になります。

電話を受けたスタッフで解決できるクレームであれば問題ありませんが、解決の難しい内容であればオーナーや店長といった責任者につなぎましょう。責任者不在や回答の難しい場合には、折り返し電話をする旨をお客様に伝えます。お客様が電話を取りやすい時間帯を伺っておくと、さらに丁寧な対応ができます。

電話を切る際には、指摘をいただいたことへの感謝を一言伝えます。また、お客様の連絡先やクレームの内容はしっかりメモに残して、責任者に共有しましょう。

困った時に使える便利なフレーズ

電話対応では、どのような表現をするべきか、迷う場面もあるかもしれません。そんなシーンで役立つ便利なフレーズをお伝えします。

相手の声が聞き取りづらい

相手の声が小さく、聞き取りづらい場合に使えるフレーズです。

×聞こえません
×ちょっと聞き取りづらいのですが。
〇申し訳ございません。少しお電話が遠いようですが。
〇電波の調子が悪いようです。

聞き取れなかった場合に、相手に同じ内容をもう一度話してもらうことになります。まずお詫びしたうえで、「聞こえない」といった直接的な表現を避け、相手のせいにしないことがポイントです。

忙しくて電話を受ける余裕がない

お店の忙しい時間帯にかかってきた電話で使えるフレーズです。

×ごめんなさい、また後でかけてください。
×今忙しいです。
〇申し訳ございません。少し立て込んでおりまして、満足のいく電話対応をできないため、後ほど折り返しのお電話をさせてください。

忙しさを全面に出しては、お客様に失礼です。「お客様の対応より、大切なことがある」と暗に伝えているようなもの。丁寧な電話対応のために、折り返しすることを伝えましょう。ただし、緊急を要する電話の場合には、その場で要件を伺う必要もあるでしょう。

マニュアル化して上手なお店の運営を

電話対応が、お店のスタッフごとにバラバラだと、「以前と対応が違う」と新たなクレームの原因にもなりかねません。今回ご紹介したポイントを参照にお店全体で統一できるマニュアルを作成してみてはいかがでしょうか。一度決めておくと、スタッフ教育にも役立つでしょう。