SNS利用の広がりとともに、写真や動画などを制作しインターネット上で公開することが身近になりました。
ですが、音楽や写真、イラスト、動画、文章などのコンテンツを扱う際に注意しなければならないのが著作権です。知らず知らずのうちにでも著作権を侵害してしまうと、損害賠償請求や禁固刑を科される恐れもあります。

今回は、著作権の概要や侵害による処罰、事例別の注意点・対策をまとめています。

著作権とは

著作権とは、音楽や漫画、イラストといった著作物をつくった人に対して与えられる権利です。
つくったもの(著作物)を無断で公開されたり、本来得られるはずの利益を奪われたりといったことから著作者を保護するために定められています。

著作権は「著作者人格権」と「著作権(財産権)」の二つに分けて定められています。簡単に二つを説明しましょう。

・著作者人格権
著作者人格権はつくったものを「著作者が公開するかしないか決められる」、「どんな著者名で公開するか決められる」、「誰かから勝手に変えられない」など、著作者を守るための権利です。

・著作権(財産権)
著作者の判断で著作物のコピー、上映・上演、貸出しを許可したり、それによって得られる売上・利益を受け取ることができる権利です。
この他にもたくさんの権利が細かく定められています。

世の中は著作物で溢れている!

私たちの身の回りにあるものの多くが、著作物に当てはまります。
小説や論文、講演、ダンス、建築物、地図、設計図、絵画、動画、歌詞など。人がつくったものをほとんどカバーしています。
そのため「会社でプレゼン資料を作る」「SNSで記事や動画を配信する」などの目的で第三者がつくったものを使用するときは、著作権の扱いに注意しなければなりません。

著作権を侵害するとどうなる?

もし誰かの著作権を侵害してしまったら、「民事」と「刑事」の側面から処罰を受けることになるかもしれません。

民事上の処罰

著作者から「差止請求」や「損害賠償請求」、「不当利得返還請求」などの請求を受ける可能性があります。

「差止請求」では、著作権の侵害行為そのものを差し止められます。
たとえば他の人気ゲームを模倣したゲームを提供していた場合、サービスの提供自体を止めなければなりません。

「損害賠償請求」では、侵害によって著作者が被った損害を支払わなければなりません。請求されるお金は、著作者側(被害を受けた側)が算出、証明します。2019年には、不正にアップロードされた漫画・雑誌をダウンロードできるリーチサイト「はるか夢の址(あと)」の運営者に対し、被害を受けた講談社が損害賠償請求で提訴。大阪地裁は運営者3名に総額約1億6,000万円の支払いを命じました。

「不当利得返還請求」では、著作権を侵害しながら得た利益をすべて返さなければなりません。たとえばYouTubeに著作者に無断で楽曲を載せ、100万円の広告収入を得ていたら全額返すこととなります。

刑事上の処罰

もし「故意に(わざと)著作権侵害をしていた」と証明されれば、禁固刑や罰金に処せられるかもしれません。

・懲役最大10年
・罰金最大1,000万
※会社の従業員が仕事上で違反していたら、会社に対しても最大3億円

これらは民事のペナルティとは別で科されるため、たとえば民事で1億円の損害賠償金を支払ったうえで懲役10年・罰金1,000万円を科せられることもあるのです。

【事例別】侵害に注意すべきポイントと対策

ここでは、知らず知らずのうちに著作権侵害をしてしまいがちな4つのケースを解説します。

①SNSのアイコンに画像を使う

アニメ・漫画のキャラクター、第三者が制作したイラストや風景写真などの画像をSNSのアイコンに“無断”で使うと、著作権侵害となります。

どうしても使用したい場合は、著作者に直接問い合わせて許可をもらうか、著作者が一般に使用の許可をしている画像を使わなければなりません。

最近では、「個人利用や商用利用が可能」とうたっている”著作権フリー”の写真・画像がインターネット上に多くあります。有料はもちろんのこと、無料でたくさんの画像や写真、イラストが提供されており、それらをまとめて掲載しているサイトも登場しています。
こうしたサイトを利用するのも、著作権侵害を防ぐ方法の一つでしょう。

ただし、たとえ個人・商用利用可の素材であっても、サイトごと・著作者ごとに「クレジット表記」や「モデル名の変更不可」などの細かな利用条件がを定められているため、その点は注意してください。
(※クレジット表記とは著作者の情報を載せること)

②お店でBGMを流す

飲食店・美容室などのお店で音楽をBGMとして流す場合には、同じく著作者の許可を得ていなければ著作権侵害にあたる恐れがあります。

2015年6月、日本音楽著作権協会(JASRAC)は届出なく音楽をBGMとしてお店で流していた171事業者258施設に民事調停を申し立てました。2017年7月にも北海道と香川県の店舗経営者が提訴されました。

もしどうしても使いたい音楽がある場合、著作者の許可を得るか、大半の音楽の著作権を管理しているJASRAC(著作権管理団体)に手続きをして、使用料を支払うことが必要となります。
こういった手続きを手間に感じる場合は、USENに代表されるような店内BGMサービスを利用するほうが安心でしょう。

③動画制作で音楽・画像を入れる

YouTubeなどの動画の素材として、音楽や画像を使用することもあるでしょう。ここでも著作物を“無断”で使うことは著作権違反です。
動画に効果音・BGMとして音楽を入れる場合や、画像を入れる場合には、著作者の許可を得たものや、著作権フリーのものを利用しましょう。先ほど触れた通り、利用条件の確認も必要となります。

④ブログに文章を引用する

他の記事・書籍などから文章を引用する場合は、やり方を間違えると「引用」ではなく「無断転載(複製)」と見なされ、著作権侵害になることがあります。

引用と無断転載にはどのような違いがあるのでしょうか?
無断転載には、たとえば他の記事をそのまま自分のブログに載せたり、引用する必要がないのに掲載したりといったケースが該当します。

引用するための5条件

著作権を侵害せず引用するには5つの条件を満たさなければなりません。

①主従関係がハッキリしている
あくまで本人の文章がメイン(主)で引用した部分がサブ(従)であるという立ち位置が明らかであることです。

②引用の必要性がある
「引用しないと説明できない」「説得力が無くなる」などの理由で、引用の必要性があることです。

③引用部が区別されている
「どこからどこまでが引用部なのか」が明確にわかることです。引用部を枠で囲ったり、斜体にするなどして箇所をハッキリさせましょう。

④引用元が明記されている
本ならタイトルや著者名、出版社などの情報、Web記事なら記事タイトルやメディア名、URLなどを明記しましょう。

⑤勝手に修正しない
引用してきた内容を変えてはなりません。

これら5つをすべて満たすことで、引用として認められます

まとめ

私たちの身の周りにあるもののほとんどが誰かの著作物です。著作権侵害を「知らなかった」では済まされません。
ご自身だけでなく家族や同僚が違反していないか、注意しておくことも重要でしょう。


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