店舗を開業したものの、集客がうまくいかずに困っている経営者の方は多いのではないでしょうか。

店舗を継続的に成長させ、安定した経営をするためには、持続的に利益を出す必要があります。そのためも、店舗の集客力を高めることは重要です。

本記事では「新規集客」と集客力アップの具体的な方法、これからの集客に有益なツールなどを解説します。

集客とは

「集客」とは、文字の通り「お客様を集める」ということです。近年では、ただ集めるに限らず、自社商品を気に入ってもらい、固定客になってもらう過程全体のことを指すこともあるようです。そして、自社の商品やサービスに魅力を感じる顧客を集めるための「集客力」こそが、店舗の持続的な成長には大切です。

その集客力とは、「顧客を魅了して再来店を促す力」のこと。さらに深堀すると、商品やサービスを通して、どれだけ顧客満足度を高めているかを示す力とも言えます。商品、提供しているサービスや接客の質だけでなく、店舗の外観や内装なども集客力の要素に含まれます。

それらの要素を見直し、対策をとっていくことが、集客力の改善や向上につながる取り組みと言えるでしょう。

マーケティングと集客の違い

ここで、集客と似た意味で使われる、「マーケティング」について確認しておきましょう。

このマーケティングは顧客の需要調査、商品開発やプロモーション、購入してもらうためのシステム形成など、商品やサービスを提供するための一連の流れ全体のことを言います。分かりやすく言えば、商品が売れる仕組みを作ることがマーケティングであるということです。

つまり集客はマーケティングを構成する一要素だということができます。

今回は集客に絞って話を進めていきます。

集客を高めるための要素

集客を高めるためには、自社商品のコンセプトを作り、固定客を得るための施策を打ち出し、新規顧客獲得の方策を練ることなどが必要です。

ここではこれら集客を高めるための要素について、ひとつずつ見ていきましょう。

  • コンセプトの決定

    これから始める店舗のコンセプトを決めることは重要です。コンセプトは単なる事業の目的を示したものになってはいけません。なぜ事業を展開するのかの意義や目的はもちろんですが、誰に向けて店舗を提供するのか、どうやってそれを実現するのか、といった具体的な実行策を組み立てることがが大切です。

  • 固定客を得るための施策

    固定客になってもらうためには、店舗の体験に満足してもらうことが必要です。そのためには現状のサービスや接客の質などを常に見直し、持続的に改善することが大切です。例えば、クーポン券や繰り返し来店することで得られる特典などを用意することもそのひとつ。リピーターを増やすことにつながります。

  • 新規顧客獲得のための情報発信

    新規顧客を獲得するためには、メールマガジンや動画、サイトやブログなどで情報発信を行い、多くの人に店舗の存在が伝わるようにします。なかでも昨今はやりのMEO(Google mapなどの地図検索サービスからの集客を増やすためのノウハウ)なども重要になってきます。

集客に必要な行動

集客力を向上させていくためには、市場や顧客の需要分析なども押さえておくと効果的です。

集客に必要な考え方には、次のようなものがあります。

  • マーケティングリサーチ

    市場の動きを注意深く観察、データを集め、分析します。顧客が求めているものを知るために、調査をする段階です。店舗を展開する場合、その店舗を利用する人がその地域にどれぐらいいるのか、店舗の予定地はどれぐらい人通りがあるのか、競合店舗はどのようなサービスを展開しているのか、など事前に調べられることは調べつくしましょう。

  • 需要の把握と適切な商品・サービスの提供

    マーケティングリサーチで得た情報から顧客が何を求めているのかを把握し、どのような商品やサービスを探しているかを考え、提供することを考えます。

    自社の商品やサービスを利用してもらい、顧客が抱えている課題や問題を解決に導くための商品・サービスの開発をすることが重要なのです。

  • バンドワゴン効果の利用

    バンドワゴン効果とは、ある商品やサービスが人気だった場合、そのサービスや商品の質に関係なく人々が集まる現象です。

    つまり「人気だから」という理由で、人々がその商品やサービスを選択するという状況のことです。こうした効果を利用することも集客を高める施策のひとつではあります。行列のできるラーメン屋などが、わかりやすい事例です。

    しかし一方で、このバンドワゴン効果だけに頼り商品やサービスの質の改善、向上をおろそかにしてしまうと、リピーターの数は減り、長期的な集客効果が見込めなくなってしまう原因にもなります。

    そのためバンドワゴン効果だけを狙うのではなく、商品の質やサービスを改善・向上させることに注力することが大切です。

集客力アップのためのポイント

集客力をアップさせるには新規顧客を獲得し、リピーターになってもらうという流れを作ることが大切です。

ここでは新規顧客とリピーターを獲得するためのポイントについて解説します。

新規顧客

  • 顧客に店舗の存在を知ってもらう

    まずは自分が展開しているビジネスを相手に知ってもらうことが大切です。

    看板やチラシ、広告を出すことも施策のひとつですが、インターネットを利用して情報を得る人が多い現在では、Googleの広告機能を使う、広告媒体に掲載するなどの方法を使うと効果的な宣伝活動ができます。

    例えばBIGLOBEが提供する「BIGLOBE店舗マップ管理」の活用をすることで、地図検索から自社を知ってもらうことができるので、新規顧客を集客できる可能性も広がります。

  • 興味を持ってもらう

    「知ってもらった」次は、興味を持ってもらうことが必要です。そのためにはある程度詳しい情報を提供し、共感してもらえる工夫をする必要があります。例えば、チラシやWeb広告のなかに店舗のこだわりや強み、イチオシ商品などを掲載します。

    また、配布するチラシに自社のWebサイトへのリンクを掲載しておき、詳しい情報を読んでもらえる工夫や、QRコードを用いた動線を用意し、気軽に店舗情報にアクセスしてもらえる工夫も必要です。

    さらに、利用者の検索履歴から同系統の内容を検索している人や特定の地域の検索が多い人への広告(ターゲティング広告)を利用するといった方法で、より店舗に興味を持ってくれそうな人を絞り込んで情報提供をすることも効果的です。

  • 来店してもらう

    最後に来店を促します。

    例えばキャンペーン期間を提示することで、最初のアクセスを促す可能性は高くなります。しかし、店舗に顧客が求めるものがなければ、キャンペーンをしても実際に来店はしてもらえません。言い換えれば、興味を持ってもらえる潜在顧客を見つけ、その人が欲しい状況をタイムリーに提供する仕組みを作る必要があります。

    例えば、DMP(Data Management Platform)を活用して、インターネット上に蓄積されたさまざまなデータから利用者の行動履歴や属性情報を分析し、興味を持ってくれる潜在顧客に該当する人に、的確な情報を提供することも効果的でしょう。

    ※DMP:ビッグデータや自社サイトのログなどを一元管理し、データを分析して最適な実施計画を実現するためのプラットフォームのこと

リピーター顧客

  • 最初の来店時に満足してもらう

    リピーター集客とは、一度店舗やサイトに訪れた顧客が、もう一度やってくるよう促すことです。

    リピーターは、顧客に満足してもらえるサービスや商品を提供することで生み出すことができますが、それは質の良い商品やサービスを提供しようとする努力や工夫があってこそのものです。

    新規顧客がリピーターになるかどうかは、最初の来店時で決まるので、決して手を抜かないようにしましょう。

  • 次の楽しみを残しておく

    初回来店時に体験できなかった商品やサービスを残しておいたり、来月からスタートする新サービスなどを告知しておいたりすると、それが顧客にとって次回来店時の楽しみとなります。

    Webの場合は「商品購入後の特典を用意しておく」などのやり方があります。

  • 店舗の存在を思い出してもらう

    リピーターになってもらうためには、顧客に店舗やコンテンツの存在を思い出してもらうことが必要です。

    例えば、スタンプカードを発行し、顧客が財布を開くたびに思い出してもらう、メールマガジンを発行して店舗情報を送る、DM(ダイレクトメール)を送るなどの方法があります。

    このように店舗やコンテンツの存在を思い出してもらう方法をとっていれば、リピーターが生まれる可能性も高くなるでしょう。

集客力アップのために長期・短期で使える方法

ここからは集客力をアップさせるための具体的な方法について解説します。

集客力をアップさせるためには、長期的な方法と短期的な方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

以下で述べるやり方を使って、新規顧客とリピーターの獲得につなげていきます。

長期的な方法

  • 宣伝広告やDMを出す

    宣伝広告には複数の種類があります。

    商圏エリアの住宅にポスティングする「ポスティング広告」や、新聞に出稿する「新聞広告」、店舗前に掲げる「看板」、Web上の広告などが、宣伝広告に該当します。

    最近では、欲しい情報はWeb検索をして自分で探すという人が多いため、ポスティング広告の反響は少ないようです。

  • サービスの質を改善する

    店舗で提供しているサービスや、サイト内のコンテンツの質が悪ければ、新規顧客がリピーターになることはありません。

    固定客を定着させるためにも、常に顧客満足度を高めるためにも、商品やサービス内容を見直し、客観的な目で検討します。

  • イベントを開催する

    イベントを開催することは販路拡大として効果的です。

    飲食店の場合はグルメイベントに参加することが、商圏以外の人々に店名を覚えてもらったり、似た問題意識を抱えている業者と出会えたりすることにもつながります。

  • ホームページやブログを活用する

    ホームページは企業にとって情報発信の中心であり、企業の顔でもあります。ホームページは詳しい情報を知りたいと興味を持ってくれた人が顧客となる第一歩ともなる情報です。

    またブログも同じく情報発信の要です。ホームページよりさらにタイムリーな情報、日常的な活動を発信できる場でもあります。

  • メルマガを送信する

    店舗やサイト情報を新規顧客にメールで送信する方法です。

    リピーターを生み出すことに役立ちます。

  • SNSで情報を継続的に発信する

    SNSは手軽に情報を発信でき、拡散力が強いことが特徴です。その半面、デマや誹謗(ひぼう)中傷などのリスクも高いことも意識しておく必要があります。広く情報を拡散するためには、顧客に情報のシェアを推奨し、口コミを広めてもらうようにしましょう。

  • SEO施策に力を入れる

    SEOはホームページを見つけてもらうためのひとつの手段です。

    具体的に言うと、SEOは、集客につながる可能性のあるキーワードを交えてコンテンツを作り、検索エンジンからの流入によって集客をする方法です。

    単にキーワードを入れてコンテンツを作ればよいというわけではないので、やり方を習得し施策を行うには長い期間がかかりますが、効果的なSEO対策を行えば、成約数の大きな向上が期待できます。

短期的な方法

  • キャンペーンやバーゲンなどを開催する

    キャンペーンやバーゲンなどの格安セールを開催し、顧客を集める方法です。

    顧客に「今、来店するかしないか」という決断を促せますが、あくまで一時的な効果に過ぎず、これだけに頼ると集客率は下降していきます。

    先述の長期的な方法と組み合わせて使うとよいでしょう。

  • クーポンを発行する

    クーポンも使用期間を設けることで集客を促しますが、こちらも使用期間を定めるので一時的な効果しかありません。

    前述と同様、長期的な施策と合わせて活用しましょう。

これからの集客

近年、インターネットメディアの増加により、SNSやアプリを使った集客が増えています。

SNSやアプリをうまく活用すれば、店舗の予約や電話などを促したり、店舗の魅力をじっくりと伝えられたり、口コミを拡散してもらったりと、メディアの種類ごとに異なるアプローチができます。

ここではこれからの集客に活かせるツール、機能をいくつか紹介します。

ブログ

WordPressに代表される、CMSという “コンテンツ作成・管理ツール”を使い、文章と写真でサービス内容をじっくりと伝える集客方法です。

継続的に記事を更新する必要はありますが、店舗サービスや従業員の紹介もできて、店舗の雰囲気を伝えやすいことが特徴です。

また、店舗やそのサービスに関連したキーワードを入れてブログ記事を書くことで、検索にかかりやすくし、新規顧客を生み出すことも可能です。

Instagramビジネスツール機能

2016年の8月より、SNSの一種であるInstagramに実装された機能です。

ワンクリックで電話やメール、地図を起動できたり、閲覧者を分析できたり、広告を簡単に配信できたりします。

スマートフォンアプリ

現在多くの人々がスマートフォンを使っています。そのことを活かし、専用のスマートフォンアプリを作って集客をかけることも可能です。

アプリを無料かつ手軽に製作できるツールには、「アプスタ」や「JointApps」などがあり、特に「アプスタ」は、クーポン配信用アプリの開発に適しています。

アプリにはクーポン機能やスタンプ機能、ニュース配信機能などを備えておけば、リピーターを増やすツールとしても活用できます。

Twitter広告

SNSの一種、Twitterに備わっている広告出稿機能です。

「フォロワーターゲティング」という機能によって、競合先のフォロワーと似た好みのあるユーザへ広告を出すことができ、企業が想定している顧客層以外の“潜在的な顧客層”へアプローチもできます。

Googleマイビジネス

GoogleマップやGoogle検索で、自分が展開しているビジネス情報を掲載できるサービスです。

店舗名や電話番号、住所などを登録でき、写真も表示できるので、検索ユーザに自社をより詳しく知ってもらえる可能性が高くなります。

まとめ

今回は集客の基本的知識と、集客力アップの具体的な方法やツール、機能を紹介しました。効果的な集客を行って顧客とつながり、それを長く維持することで、事業には大きなプラスとなります。

新規顧客から常連客を少しでも増やせるよう、集客力アップの施策を実行していきましょう。

※本記事内の情報は2020年1月30日現在のものです。