「高額の領収書には収入印紙をはる」
「商業登記の書類には収入印紙が必要」
「契約書の締結には収入印紙が必要」

ビジネスでは、収入印紙が必要な場面がよくあります。印紙が必要なことは知っているけど、どうして印紙を貼るの? お金を支払う理由は? そもそも収入印紙って何?

今回は意外と知らない収入印紙について解説します!

 間違うと痛い!! 印紙税の実務Q&A 三訂版

収入印紙とは?

収入印紙とは、一言でいえば「税金や手数料を支払ったことを証明する紙」です。

日常で、収入印紙を使うシーンの一つに、「領収書の発行」「契約書の作成」があると思います。
「え? 領収書や契約書の作成に税金がかかっているの?」と思う人もいるでしょう。そうです。領収書や契約書などの「課税文書」には、税金がかかります。
印紙税法という法律により、課税文書には印紙を貼って税金(印紙税)を支払うことが義務づけられています。

収入印紙は郵便局やコンビニで購入できます。印紙を買うことで税金を納めたのと同じ扱いになります。実際には、印紙の販売業者がまとめて間接的に納税しています。

ちなみに、領収書や契約書は「印紙税」、商業登記には「登録免許税」がかかります。同じ収入印紙を購入し使用しても、納めているのは異なる税です。

どんなケースでいくらの収入印紙が必要なの?

収入印紙は、印紙税、登録免許税などの納税や、手数料などの徴収で利用されます。

では、実際にはどんなケースで、いくらの収入印紙が必要なのでしょうか?
ここでは、一番馴染みのある印紙税について、収入印紙が必要なケースをみていきましょう。

印紙税がかかる課税文書は、法律で細かく規定されています。契約書、約束手形、株券、定款、売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書(いわゆる領収書やレシートのこと)などです。第1号文書から第20号文書まで分類されています。

ビジネスシーンでよく利用するのは、領収書への貼付でしょう。下記のように、額面に比例して印紙税は増加していきます。たかが収入印紙とはいえ、取引が増えるとコストがかさむことがわかります。

第17号文書の印紙税額

受取金額 印紙税
5万円未満 0円(非課税)
5万円以上100万円以下 200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下 600円
300万円を超え500万円以下 1千円
500万円を超え1千万円以下 2千円
1千万円を超え2千万円以下 4千円
2千万円を超え3千万円以下 6千円
3千万円を超え5千万円以下 1万円
5千万円を超え1億円以下 2万円

国税庁: No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで

 

 令和2年7月改訂 Q&A印紙税の実務

実は収入印紙がいらない場合がある!

利用する機会が増えると、それなりのコストになる収入印紙。これを節約する方法はあるのでしょうか?

実は、課税文書でも収入印紙が不要なケースがあります。それはデータとして課税文書を発行した場合です。電子文書は非課税なので収入印紙はいりません。なぜでしょうか?

印紙税法では、課税文書を作成した場合は印紙税を納めることを義務づけています(印紙税法第 三条)。これは課税文書を「作成」したときに適用されます(印紙税法基本通達 第44条)。

つまり、PDFファイルやFAXの場合は文書を(物理的には)作成していないので、課税されないということです。FAXはあくまでも電子データをプリントアウトしただけです。課税文書を作成して交付したわけではありません。

国税庁は、電子文書に対して以下のような見解を出しています。

「たとえ注文請書を電磁的記録に変換した媒体を電子メールで送信したとしても、ファクシミリ通信により送信したものと同様に、課税文書を作成したことにはならないから、印紙税の課税原因は発生しないものと考える」(「請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について」別紙1-3

このように電子文書(PDF、FAX、メールなど)は課税文書を作成したとはみなされません。これを利用すれば収入印紙は不要になります。

例えば1点10万円のサービスを販売し、100点売り上げた場合。全ての取引先に領収書を発行すると、200円×100点=20,000円の印紙税がかかります。
これを全てPDFファイルで発行すれば、20,000円の節税となります。

不動産などの売買契約は金額が大きくなります。それにともない印紙税も高額です。この印紙税を節約するために、契約書を電子文書にしてしまう方法があります。6千万円の売買契約なら2万円の印紙税を節約できます。書類のやりとりをネット上でスピーディーに行なえるメリットもあります。

電子文書でコスト削減!

実は、収入印紙の貼り忘れは、過怠税として印紙額面の3倍を課せられます。高額の取引を行う場合は、あらかじめ印紙税を確認しておきましょう。社内の取り組みとして、すべて電子文書に統一するのも選択肢のひとつです。業務効率のアップ・コスト削減を期待できますので、ぜひ検討してみてください。

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