道路交通法では、一定台数以上の自動車を保有する事業所に対し、「安全運転管理者」の選任が義務付けられているのをご存知でしょうか?これを「安全運転管理者制度」といいます。

安全運転を心がけ、業務中の交通事故を防ぐことは、事業を運営する上では欠かすことのできない責務です。この記事では、「安全運転管理者制度」とは何か、また、安全運転管理業務の効率化に役立つ便利なサービスについてご紹介します。

業務中の交通事故は、会社にも責任が発生する

まず前提として、業務中の交通事故は会社に対して甚大な被害をもたらす可能性があります。
実際に事故を起こしてしまった場合、運転手である従業員はもちろんのこと、その使用者である会社もまた、責任を負わなければなりません。

被害者に対する損害賠償や、車の修理費をはじめとする金銭的な損失のほか、企業としてのイメージ低下や事後処理にかかる労力、事故を起こしてしまったドライバーの心身に対する影響など、その被害は多岐にわたります。

こうした事態を避け、従業員の安全を守るためには、会社全体で事故防止対策に取り組むことが重要です。

安全運転管理者制度とは?

そこで今一度、確認しておきたいのが「安全運転管理者制度」です。企業などで使用される自家用自動車、いわゆる白ナンバーの車の事故を防止するために規定された制度で、「道路交通法」によって昭和40年に法制化されました。

一定台数以上の車を保有する事業所には、次のとおり、「安全運転管理者」および「副安全運転管理者」の選任が義務付けられています。

安全運転管理者の選任基準

  • 自家用自動車を5台以上(自動二輪車1台は0.5台で計算)使用している事業所
  • 定員11人以上の自動車(バスなど)を1台以上使用している事業所
  • 自動車運転代行業者は、使用台数にかかわらず、営業所ごとに選任が必要

副安全運転管理者の選任基準

  • 20台以上の自動車を使用している事業所(20台ごとに1人)

運行管理者との違い

よく似た制度に「運行管理者制度」があります。こちらは安全運転管理者制度とは違い、トラックやバス、タクシーといった事業用自動車、いわゆる緑ナンバーの車を対象とした、「道路運送法」および「貨物自動車運送事業法」に基づく制度です。

運行管理者は国家資格であるため、業務を行うためには、旅客や貨物など、事業の内容に応じた「運行管理者資格者証」の取得が必要です。国家試験である運行管理者試験に合格するか、5年以上の実務経験を含む一定の要件を満たすことで、資格を得ることができます。

安全運転管理者の資格要件

安全運転管理者の資格要件は次のとおりです。

安全運転管理者の資格要件

20歳(副安全運転管理者を置く事業所では30歳)以上で、次のいずれかに該当

  • 運転管理実務経験2年以上
  • 公安委員会の認定を受けている

副安全運転管理者の資格要件:

20歳以上で、次のいずれかに該当

  • 運転管理実務経験1年以上
  • 運転経験3年以上
  • 公安委員会の認定を受けている

なお、上記要件を満たしていても、2年以内に飲酒運転やひき逃げなどの違反を犯している場合には、これに該当しません。

選任後15日以内に公安委員会へ届出が必要

安全運転管理者は、選任もしくは解任した日から15日以内に、所在地を管轄する警察署を経由し、公安委員会に届出をする必要があります。届出は、都道府県ごとに定められた様式の届出書を提出します。届出書に添付する主な書類は次のとおりです。

  • 安全運転管理者に関する届出書
  • 運転管理経歴証明書もしくは安全運転管理者等資格認定申請書
  • 本籍記載の住民票
  • 運転免許証の写し
  • 運転記録証明書(過去3年)

届出を怠った場合、5万円以下の罰金が課せられます。

安全運転管理者講習の受講義務

また、安全運転管理者には、「安全運転管理者等講習」を年に1回は受講することが義務付けられています。公安委員会から通知書が来たら、講習に参加する必要があります。なお受講には、安全運転管理者で4,500円、副安全運転管理者で3,000円の講習手数料が必要です。

安全運転管理者の業務内容

安全運転管理者は、実際にどのような業務を行うのでしょうか。内閣府令による道路交通法施行規則第9条では、以下の7つの業務が定められています。

  1. 運転者の適性の把握
    運転者の適性や知識、技能、また交通法規を守っているかなどを把握するための措置をとること
  2. 運行計画の作成
    過労運転の防止など、安全運転を確保できるよう自動車の運行計画を作成すること
  3. 交替要員の配置
    長距離運転や夜間運転において、疲労などによる危険性が生じるおそれがある場合に、交替するための運転者を配置すること
  4. 異常気象時の安全運転の確保
    異常気象や災害が発生した際に、運転者への指示や安全確保に必要な措置をとること
  5. 点呼・日常点検による安全運転の確保
    運転者に対して点呼を行い、自動車の点検整備の実施状況や飲酒、疲労、病気などの有無を確認し、安全運転に必要な指示を与えること
  6. 運転日誌の備付けと記録
    運転状況を把握するための日誌を備え付け、運転後に運転者に記録させること
  7. 運転者の安全運転指導
    運転者に対し、「交通安全教育指針」に基づく教育のほか、安全運転に必要な事項について指導を行うこと

ドライブレコーダー活用による業務の効率化

こうした安全運転管理業務を効率化するとともに、事故防止対策を徹底するために有効な手段の一つとして、ドライブレコーダーの導入が考えられます。なかでもおすすめなのが、法人向けに特化した「通信型ドライブレコーダー」を用いた運行管理サービスの活用です。

通信型ドライブレコーダーでできること

例えば、エコモット株式会社では、パイオニア株式会社の高性能通信型ドライブレコーダー「TMX-DM03」と連携した交通事故削減のためのサービス「Pdrive」を提供しています。

Pdriveの仕組み

GPSやLTEを用いた通信機能によって、車両の現在地や走行状況、危険性のある運転などをリアルタイムに把握でき、データ収集装置によってこれらのデータをクラウドサーバに集積、分析することが可能です。
安全運転管理業務においても、以下のような活用法が期待できます。

①運転手の適性把握・一人一人に合った安全運転指導ができる!

日々蓄積される詳細な運転データから、ドライバー各自の運転傾向を分析することで、正確な適性把握が可能。一人一人に適した安全運転指導を行うことができます。

ドライバー各自の運転傾向を見える化

②運転日報を自動作成できる!

日報の自動作成機能を搭載。走行情報の履歴から自動で運転日報を作成できるため、運転日誌の記録作業を効率化することができます。

運転日報の自動作成

③異常気象でも安全運転をサポート!

AIによるリアルタイムアドバイス機能により、天候や時間、場所、運転傾向などを組み合わせた注意喚起が可能。異常気象や災害発生時にも、安全運転の確保に役立てることができます。

リアルタイムアドバイス機能により異常気象でも安全運転をサポート

④眠気や脇見運転も感知!

さまざまな条件下における膨大なデータを学習した画像解析AIによって、精度の高い眠気の検知および脇見の検知が可能。ドライバーの集中力や疲労度合いを察知し、交替運転者の配置などに活用することができます。

ドライバーの眠気や脇見運転も感知

車の中は隔離された別空間であるため、同乗しない限り、実際にどのような運転を行っているかは把握しづらいもの。しかし、通信型ドライブレコーダーを活用すれば、同乗せずとも従業員の運転状況を正確に把握し、より適切で効率化された管理が可能になります。

安全運転管理業務の徹底を!

このように通信型ドライブレコーダーの導入は、安全運転管理者の業務にも効果的です。交通事故のリスクを回避するためにも、安全運転管理者制度をしっかりと理解し、業務の徹底を心がけしましょう。

交通事故削減ソリューション Pdrive