個人経営の店舗、例えば飲食店、美容室は2019年10月の消費税増税により、少なからず影響が出ているのではないでしょうか。できるだけ出費を抑えたいと思う消費者にとって、外食や美容関連は利用回数を減らす候補となる可能性もあり、簡単に商品・サービス価格を上げることで増税対策とすることも難しい状況です。

値上げが難しいとなれば、考えられることは新たな集客施策ですが、そのなかのひとつに店舗Wi-Fiの設置があります。すでに導入している店舗も多い店舗Wi-Fiですが、うまく活用するにはどのようにすればよいのでしょうか。そこで、今回は個人経営の店舗にWi-Fiを設置することのメリットとデメリットを確認し、実際に設置する際の方法について説明します。

店舗Wi-Fiを設置することのメリット

最近はコンビニやデパート、駅といった施設以外に、個人経営の飲食店や美容室でも店舗Wi-Fiをお客様へのサービスの一環として導入するようになっています。コストをかけてでも店舗Wi-Fiを導入するのは、多くのメリットがあるからですが、具体的なメリットとしては次のようなことが考えられます。

集客効果がある

Wi-Fiを使って動画を見たりゲームをしたりできることは、お客様にとってお店を選択する際の重要な要素のひとつになるため、集客効果が見込めるでしょう。また、訪日外国人旅行者の集客としても大きな効果が期待できます。観光庁が発表した「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート(平成30年調査)」によると、旅行中に困ったこととして、「無料公衆無線LAN環境」を挙げている外国人旅行者は18.7%と、2番目に多い数字です。ここ数年の傾向から2020年以降も外国人旅行者の増加が見込め、インバウンド対策としても店舗Wi-Fiの設置は有効だと言えるでしょう。

ほかにもノートパソコンを使って仕事をしたいビジネスパーソン、子どもをタブレットやスマートフォンのアプリで遊ばせ、ゆっくりと食事を楽しみたい家族連れ、美容院での時間にネット利用をしたい人など、さまざまな層に対して集客効果があります。

待ち時間のストレス解消になる

店舗内にWi-Fiが設置されていると、時間帯によって待ち時間が生まれやすい飲食店や美容室でストレスなく過ごしてもらえるようになります。結果としてそれがお客様満足度向上につながることで、クレームも減り、店員にかかる負担軽減、業務効率化も実現しやすくなります。

店舗内の見栄えが良くなる

店舗Wi-Fiの導入と店舗内の見栄えにどういった関連性があるのかと思われる方は多いのではないでしょうか。しかし、実際には深い関係があります。仮にWi-Fiを使わないとしても、商材の発注やクラウド会計など、店舗内でネットサービスを利用するケースは少なくありません。その際、ネット接続が有線では、店舗内にLANケーブルが必要となり、見栄えが悪くなるうえ、配線まわりの掃除もしにくくなります。特に飲食店においては、衛生的にもデメリットとなるため、店舗Wi-Fiを導入することは、結果として店舗内の見栄えを良くし、隅々まで掃除の行き届いた清潔な店舗環境を保てます。

店舗Wi-Fiを設置することのデメリットと対応策

次に店舗Wi-Fiを設置することのデメリットとその対応策について説明します。

従来の客層が変わる可能性がある

特に飲食店において、Wi-Fi目当てのお客様が増えることで、従来の客層が変わってしまう可能性があります。集客が目的のWi-Fi設置ですが、Wi-Fi目当てだけのお客様が増えてしまうことは、逆にWi-Fiを利用しないお客様を遠ざけてしまう結果になることも考えられます。

<対応策>

長時間Wi-Fiのみを利用しているお客様を見つけたら、声掛けや気配り、注文をうかがうなどして、自然と気づくようにふるまいましょう。また、店舗内に貼り紙やPOPを設置する方法もありますが、店舗のイメージを壊してしまう可能性もあるため、注意が必要です。中でも有効なのが、利用時間を制限できるWi-Fiサービス。一定時間使うと接続が自動できれ、再接続のために認証が必要になるもので、大手喫茶店などでも使われています。

客単価が下がってしまう可能性がある

Wi-Fiが一番の目当てであるお客様は、一般のお客様に比べ滞在時間が長くなる傾向にあります。その結果として回転率も悪くなる可能性が出てきます。また、飲食が目的ではないため、ドリンクのみで長時間滞在されると、客単価が下がってしまう可能性も高まります。

<対応策>

先述した対応策と同様、Wi-Fiを利用できる時間を制限することが最も効果的な対応策です。ほかには、注文せずに長居をするお客様に対しては、直接、声掛け・気配りするなど、配慮が必要でしょう。

セキュリティリスクがある

店舗Wi-Fiは不特定多数のお客様が利用するため、さまざまなセキュリティリスクが発生します。具体的にはお客様のメールやSNSなどでの通信内容の盗聴、お客様のスマートフォンへのスパムメールの送信、お客様のスマートフォンを介した第三者攻撃などです。また、店舗Wi-Fiを利用し、店員を装って悪意のある発言や犯行予告をネット上に書き込まれることで、店舗の信頼を損なってしまう可能性も考えられます。また不特定多数のお客様がWi-Fiを利用するということは、迎え入れる店舗側のネット環境に侵入されてしまうリスクも生じます。

<対応策>

Wi-Fiを利用するお客様にとってはできるだけ簡単に利用できるようにすることも重要ですが、セキュリティリスクを考えれば、店舗側、お客様側、双方で対策を施すことが求められます。お客様側には、利用時のパスワード設定、メールによる認証などをお願いします。店舗側では、強固な暗号化の設定、店舗内で利用しているお客様側のネットワークと店舗側のネットワークを分けるネットワーク分離機能の設定、利用できるWebサイトを限定するフィルタリングなどが必要です。

店舗Wi-Fiを設置するための方法

店舗Wi-Fiのメリットとデメリット、そしてその対策を見たところで実際に設置する方法ですが、具体的には次の2つがあります。

店舗の無線LANにお客様用の設定を追加して使う

1つ目はもともと店舗内で無線LANを利用している場合におすすめの方法です。現状は社内ネットワーク用の環境設定のみのはずなので、これにゲスト専用の無線LANネットワーク環境を作るだけです。多くのルータには、アクセスポイント機能があり、そのなかにゲスト機能やネットワーク分離機能が付いているので、これらを利用すれば、新たに無線LANのルータを追加する必要はありません。ただし、アクセスポイント機能がないルータに関しては、新たにアクセスポイント機能付きの無線LANルータ、もしくはアクセスポイント機を用意します。なお、ビッグローブ光であれば、現在IPv6方式対応でネットワーク分離機能も付いた無線LANルータをプレゼントしていますので、新たに購入、もしくは乗り換えの際はぜひ、ご検討ください。

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お客様専用の無線LANネットワークを構築する

2つ目は新たにアクセスポイント機能付きの無線LANルータかアクセスポイント機を購入し、社内用とは別にお客様用無線LANネットワーク環境を構築する方法です。これであれば、現在利用している社内用の無線LANルータの設定を変えることなく、お客様用のネットワーク環境が構築できます。新たにルータを購入するコストはかかりますが、店舗内ネットワークに侵入されてしまうリスクを軽減できるため、セキュリティ的にはこちらの方法が安全性は高いと言えます。

店舗Wi-Fi導入はメリットとデメリットをよく検討してから

集客施策のひとつである店舗Wi-Fi。外国人旅行者が増加しつつある今、日本人のお客様だけではなくインバウンド対策としても、大きな効果を発揮します。

店舗Wi-Fiの設置をするかしないかを決定するには、自店舗の現状をあらためて確認し、総合的に判断しなくてはなりません。メリットとデメリット双方のバランスを理解したうえで、導入を検討しましょう。

※本記事内の情報は2020年1月9日現在のものです。

ビッグローブ光